研究課題/領域番号 |
20K11324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 (2022-2023) 近畿大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
谷本 道哉 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 先任准教授 (70435733)
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研究分担者 |
荒川 裕志 国際武道大学, 体育学部, 教授 (20591887)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 水平成分分力 / 摩擦力 / 筋活動レベル / ベンチプレス / 鉛直成分分力 / 関節トルク / 大胸筋 / 上腕三頭筋 / 床反力 / 水平張力 / 内力成分 |
研究開始時の研究の概要 |
ベンチプレス(以下BP)の重力負荷に抗する力は鉛直上向きであるが、バーに与える内力として水平外向きの力発揮をすることで肩関節と肘関節とでトルクを分け合うことができる。結果、挙上方向の力成分が増大する。BPは真上ではなくやや外向きに押すほうが強いことになる。予備実験でもその様子は観察できている。 この動力学分析には「バーにかかる水平成分の力の実測」が必要となるが、それを考慮した研究は極めて少ない。本研究では、バーの内力も含めたBPの動力学特性を筋活動などの生理学特性も含めて様々な条件下で詳細に検討する。本研究により得られる知見は、より効率的でかつ「安全」なBPフォームの提案につながる。
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研究実績の概要 |
実験1:バーのグリップ条件の違いが1RMベンチプレスに与える影響 方法:筋力トレーニング熟練者11名を用いてクロームメッキ製バー(Chr)、スチール製バー(Stl)でベンチプレスを挙上する2つの条件で1RMテストを行った。手幅は肩峰幅×2とし、3条件の実施順序はランダムで、条件間に90分の休息を挟んだ。試技中に大胸筋、上腕三頭筋の筋活動、バーの水平張力の測定を行った。結果:1RM挙上重量はStlで84.0±14.3㎏であり、Chrの81.8±13.3㎏より有意に高値であった。バーの張力の鉛直押力に対する割合はStlで36.6±8.5%、Chrで34.9±8.5%で、条件間に差はほとんど見られなかった。大胸筋と上腕三頭筋の筋活動レベルは、挙上動作中の平均値、最大値ともに条件間の差はほぼ見られなかった。バーの摩擦はStl>Chrと一般には言われる。その影響でバーの張力、筋活動配分に変化が見られ、1RMに影響すると予測したが、バーの張力、筋活動配分に明確な変化は認められなかった。 実験2:バーのグリップ条件の違いが75%1RMベンチプレスに与える影響 方法:筋力トレーニング熟練者11名を用いてクロームメッキ製バー(Chr)、スチール製バー(Stl)で行う2つの条件で、75%1RM負荷条件でベンチプレスを挙上不能まで反復を行った。測定の諸条件は実験1と同様であった。結果:反復回数はStlで13.3±1.4回であり、Chrでの12.0±1.4回より有意に高値であった。バーの引張力の鉛直押力に対する割合、大胸筋と上腕三頭筋の筋活動レベルは2条件間でほぼ違いが見られなかった。 摩擦の大きいとされるStlでは最大挙上重量、反復回数が大きくなることが観察されたが、水平成分分力に違いは見られず、筋活動レベルにもほぼ差は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
習慣的にレンジスタンストレーニングを実施している、キャリア3年以上の被験者をリクルートしやすい状況にあり、順調に計画を継続実施できている。使用機器等にも問題はない。 標的部位を意識させることによるトルク配分等に与える影響に関する研究は、予備実験を慎重に進めており、本測定にたどり着いていない。動作に対する慣れの影響が大きいものとみられるため、十分な習熟期間を設けて次年度に測定を実施する予定で計画を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
計画に従って最終年度の研究を進めていく。 ・標的部位を意識させることによるトルク配分の変化:動作部位への意識をさせるBP長期介入で標的部位のトルクが増大する力発揮になるのか 充分な予備実験を進めた上で本測定を実施する。 ・これまでの研究結果を振り返り必要と考えらえる内容の検証
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