研究課題/領域番号 |
20K11328
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 筑波大学 (2021-2023) 山形大学 (2020) |
研究代表者 |
池田 英治 筑波大学, 体育系, 助教 (70726877)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | coaching / collective efficacy / cohesion / motivational climate / empirical research |
研究開始時の研究の概要 |
スポーツ・チームのパフォーマンス向上をはかる過程においては,集団特有の要因(集団変数)について着目することが肝要である.本研究では,まず,「コーチが抱く自身のコーチングに対する効力感(自信)」を測定し,続いて,コーチの指導場面での行動の観察と選手の抱くコーチの行動に対する認知(併せて,「コーチング行動」)を調査する.その上で,重要な他者によって形成される環境の構造(「動機づけ雰囲気」)と集団のまとまりの程度(「集団凝集性」),そして,チーム・パフォーマンスと密接な関連を示す「Collective Efficacy)」という集団変数を調査し,それらの関係性について共分散構造分析を用いて検証する.
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研究実績の概要 |
2023年度においては,前年度と同様にPerceived Motivational Climate in Sport Questionnaire-2(PMCSQ-2; Newton et al., 2000)の改訂版(邦訳)について,大学生を対象に質問紙調査を実施し,因子分析を用いて尺度の因子構造を確認するとともに信頼性・妥当性の検証を行った.分析の結果,内的整合性(信頼性)が基準を満たさない因子が確認されたため,サンプルサイズを大きくする必要があると考えられ,次年度の課題としたところである. 続いて,高い競技レベルを有する大学バスケットボール・チーム(女性チーム)に所属する指導者(コーチ)の練習中におけるコーチング行動をCoaching Feedback Questionnaire(CFQ; Amorose and Horn, 2000)の邦訳版とコーチのノンヴァーバルコミュニケーション評価尺度(NCSC;島崎・吉川,2012)を参考に観察・評価した.以前に観察・評価した男性チームの指導者と異なり,非言語的行動の回数は比較的少数であるという特徴が認められた.しかしながら,サンプルサイズが極めて少数であったため,追加の検証が求められるところである. さらに,collective efficacyとcohesion,PMCSQ-2の改訂版(邦訳)の経時的な測定を行った.シーズン中に3つの変数が連関しながら変動することが認められたものの,コーチング行動に関する分析と同様に,サンプルサイズが少数であったため,3変数の経時的変化の特徴およびコーチング行動と3変数間の関連を特徴づけるには至らなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度の研究課題は,まず,collective efficacyとcohesionを縦断的に調査するとともに,動機づけ雰囲気尺度の開発のための「本調査」を行い,尺度としての信頼性・妥当性を検証することであった.本調査を実施することはできたものの,信頼性の観点から,サンプルサイズを大きくしての再検証が必要だと考えているところである.また,録画した指導者(コーチ)のコーチング行動をCFQの改訂版やNCSCを参考に観察・評価することも研究課題であったが,新型コロナウイルス感染症等の影響によって少数のデータ収集にとどまった.さらに,コーチング行動に対する選手の認知とコーチング効力感との関連についての調査は,本調査まで行えず,予備調査を終えた段階である.以上の各課題について,2024年度中に調査を実施し,データを蓄積する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,第1に,collective efficacyとcohesion,PMCSQ-2の邦訳版の縦断的調査を蓄積し,そのデータを検証する.第2に,過去2年間に引き続き,コーチング行動の観察・評価を積み重ね,併せて,CFQの邦訳版を用いて選手のコーチング行動に対する認知を,また,指導者自身が抱くコーチとしての効力感(コーチング効力感)を測定する予定である.それらの調査対象は,全日本大学バスケットボール連盟に所属する選手,並びに指導者とする.以上の調査を実施し,それらで得られたデータをもとにして論文執筆を行う予定である.
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