研究課題/領域番号 |
20K11335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
和田 正信 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (80220961)
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研究分担者 |
渡邊 大輝 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (30823281)
松永 智 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (70221588)
矢中 規之 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (70346526)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | タイチン / 受動的張力 / 能動的張力 / 筋疲労 / ストレッチ / 骨格筋 / タイチン依存性能動的張力 / 筋原線維Ca2+感受性 / Ca2+誘因性最大張力 / リン酸化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,筋疲労の軽減法について,受動的張力に着目して検討しようとするものである.受動的張力とは,骨格筋が伸張されることによって発生する張力を指し,筋原線維に存在するタイチンが受動的張力の主な源である.近年,タイチンの持つ弾性力が,様々な要因により変化することが,in vitroの実験から報告されているが,生体内で同様の変化が生じるのかについては不明である.本研究の主な目的は,受動的張力が増加する環境を設定することによって,筋疲労を軽減することができるか否かを検討することである.本研究の成果は,競技スポーツにおける競技力向上および日常生活におけるQOLの向上に寄与することが期待される.
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研究成果の概要 |
筋細胞自身が収縮した時に発揮される張力は「能動的張力」と,それに対して筋細胞が単に伸張された時に発生する張力は「受動的張力」と呼ばれる.本研究では,この2つの張力の関係について検討した.得られた主な結果は,(1) 受動的張力が低下すると,能動的張力も低下すること,(2) 逆に,受動的張力が増加すると,能動的張力も増加することである.これらの結果は,受動的張力は能動的張力を制御していること,および骨格筋には,筋疲労に伴う張力の低下を軽減するメカニズムが備わっていることを示すものである.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで,受動的張力と能動的張力は,独立して機能していると考えられてきたが,近年,受動的張力が能動的張力を制御していることが報告されるようになった.しかしながら,それらの報告の殆では摘出した筋が用いられており,そのような実験で観察された現象が,生体の中で生じているのか否かについては不明であった.本研究で得られた結果は,受動的張力による能動的張力の制御が,生体内で起こっていることを示唆するものである.この成果は,今後,筋疲労抑制の新たな方策の開発に繋がることが期待される.
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