研究課題/領域番号 |
20K11376
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
林 卓史 朝日大学, 保健医療学部, 教授 (80454263)
|
研究分担者 |
佐野 毅彦 慶應義塾大学, 健康マネジメント研究科(藤沢), 准教授 (20407133)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ピッチデザイン / 野球 / 投手 / 投球 / コントロール / コーチング / 即時フィードバック / トラッキングシステム / 複数投手制 / 障害予防 / 野球投手 / 勝率 / 球質 / 投球数制限 / 投球誤差 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、投手の障害を予防するための「投球数の制限」が検討されている現状を踏まえ、「勝率を高める投手」とはどのような投手であるかをピッチデザイン(投手の球種ごとの特徴と組み合わせ)の観点から明らかにしようとするものである。
本研究は、「勝率を高める投手」を予測することにより、複数投手制の確立に貢献し、監督に継投の根拠を与え、「チームの勝率を高めること」と「投手の障害予防の両立」に貢献するものである。 また、「勝率を高める投手」を明らかにすることで、投手に対するコーチングも効率化されると考える。
|
研究実績の概要 |
最終年度である2023年度には、研究成果を反映した著書「球速の正体」(東洋館出版社)を発行した。本書は、ピッチデザインの前提となるストレートに着目し9つのタイプに分類できることを示した。ストレートのタイプにより適した変化球の組み合わせや投球スタイルを提案した。 2023年3月には、投球精度に着目した研究発表をSociety for American Baseball Research(米国アリゾナ州)において実施した。タイトルは「Refining Baseball Pitching Accuracy: Assessing the Impact of Immediate Feedback on Pitching Precision」であった。本発表では、投球誤差の即時フィードバックがもたらす効果について報告した。12人の被験者を含むランダム化比較試験を採用し、投球エラーの即時フィードバックを独立変数とし、投球エラーの95%信頼楕円面積を従属変数として二元配置分散分析を行った結果、有意な交互作用効果が認められた。介入群内では、有意な単純主効果が観察され、実験後の95%信頼楕円面積は実験前のそれよりも有意に小さかった。実験前のテストで、投球誤差の大きな被験者(95%信頼楕円面積が14,000cm2以上)には大きな効果が確認された(10,000cm2 未満)。これらの結果から、即時フィードバックによる投球練習が投球エラーに及ぼす影響は、コントロール精度の低い投手に現れる傾向があることを示唆しており、この効果には潜在的な閾値が存在することを示唆していると考えられた。本研究によりピッチデザインの前提となる投球精度、投球のコントロール能力の改善方法を示した。
|