研究課題/領域番号 |
20K11388
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
木庭 康樹 (上泉康樹) 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (60375467)
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研究分担者 |
田井 健太郎 群馬大学, 教育学部, 准教授 (00454075)
佐々木 究 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (30577078)
柴沼 真 城西大学, 経営学部, 教授 (40388674)
高根 信吾 常葉大学, 経営学部, 准教授 (70440609)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | AIテクノロジー / スポーツ現象学 / 映像分析 / eスポーツ / 身体図式 / エコロジカルトレーニング / アフォーダンス / スポーツ概念 / 運動学習 / 身体知 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、AIテクノロジーのスポーツへの適用可能性とその限界を見定め、将来それによって拡張されるであろう新たなスポーツ概念の探究、および、eスポーツとスポーツの概念的区分の把握を目指すものである。現代において、AIやeスポーツは、VRやゲーミングデバイスといったテクノロジーによってスポーツ実践やスポーツの運動学習へと益々接近し、肉体やスポーツとの境界を曖昧にしつつある。本研究では、eスポーツやAIをスポーツに適応することはどこまでが可能でどこからが不可能なのか、さらには、eスポーツにはないスポーツ独自の文化的価値や教育的価値について検討を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度は、まず8月9日に研究協力者の石岡丈昇氏(日本大学 文理学部 教授)を広島大学総合科学部に招聘し、第1回健康 スポーツ科学セミナー ・第2回行動科学セミナー合同開催にて「タイミングの社会学-ピエール・ブルデューから身体論を再考する」というテーマで講演を行っていただいた。石岡氏は、フィリピン・マニラのボクシング・キャンプでの長期にわたるフィールドワークをもとに、ボクサーの日々の練習や減量過程を、時間論の観点から再構成し、ボクサーの鍛錬を人と人、あるいは人とモノの関係において流れる時間=「タイミング」(タイムではなく)という概念から検討しており、石岡氏の論説により、スポーツにおける定量的評価と現代テクノロジーの限界点を見定めることができた。また、同日、石岡氏を交えて国内研究会を開催し、AIテクノロジーとeスポーツによるスポーツ概念の拡張と境界について意見交換を行うことで、スポーツにおける、物理的時間と主観的時間に加え、等質的空間と生態学的空間をテクノロジーによって接近させていく可能性を示唆することができた。さらに、研究代表者は、12月20日~23日にバルセロナ大学特任講師のマルク・ヴィベス氏と研究打ち合わせ行い、FCバルセロナメソッド部門で現地調査を実施、12月24日~12月25日にはマドリードにてアトレティコ・マドリード現地調査行い、12月26日~12月28日にポルト大学スポーツ科学部図書館資料収集、12月28日~12月31日にはリスボン大学体育学部図書館資料収集等を実施し、元ベンフィカのアシスタントコーチで現リール第二監督のジョルジ・マシエルに聞き取り調査を行った。最終年度の研究総括に向け、文献資料および映像資料等が順調に収集できてきている。最終年度は研究のまとめと成果発表を積極的に実施していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、新型コロナウィルス感染症の収束に伴い、海外のプロクラブでのインタビュー調査や映像データの蒐集などをようやく実施することができた。また、集積したデータの分析や考察が進展し、その成果を国内研究会あるいは国内学会での研究発表や投稿論文という形で徐々に公開できてきている。2024年度に書籍も刊行予定である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、残された海外学術調査と並行して、本研究の研究成果を国際学会等で公表していく予定である。また、そのほか、5月末に国内研究会を広島で開催予定であり、一般のスポーツ指導者に向けても最終成果発表会やディスカッションの機会を設けていくことがすでに決定している。最後に、分担者とともに本研究の成果の一部を公表する出版計画も進んでおり、2025年度に刊行予定を目途に執筆を行う予定である。
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