研究課題/領域番号 |
20K11393
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
井上 恒志郎 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 講師 (30708574)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 嫌悪刺激 / ストレス / 扁桃体 / 運動様式 / マウス系統 / ストレス感受性 / ストレス反応 / 運動条件 / 脳領域 / 回避行動 / BALB/cマウス / トレッドミル走運動 / 血中コルチコステロン濃度 / 視床下部室傍核 |
研究開始時の研究の概要 |
運動離れを引き起こす一因として「過去の不快な運動経験」が報告されているが、この運動回避行動がどのような脳機構によって調整されているかは不明である。本研究では、不快な経験の記憶と回避行動を司る扁桃体がこの運動回避行動の調節に関与するのではないかという仮説を検証する。実験では、ストレス感受性が高いBALB/cマウスを用いて運動回避モデルを確立し、その後、神経活動抑制剤を用いて扁桃体の関与を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は、ストレス高感受性BALB/cマウスを用いて、運動を嫌悪刺激として受容・記憶し、回避するという行動に扁桃体が関与しているかどうかを検討した。実験の結果、このマウスでは、強制的トレッドミル走運動(TR)がストレス反応の亢進と、嫌悪記憶の形成に関わる扁桃体領域の活性化を引き起こし、これらの変化が相関することを確認した。この結果は、今後、嫌悪刺激の記憶と回避をモデルとした運動離れの脳機能を検討していく上で、扁桃体が標的となる可能性を示唆する。また、TRの記憶・回避を評価する新たな行動テストの確立を試みたが失敗に終わったため、プロトコルなど今後さらなる検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、運動をストレス性の嫌悪刺激として受容・記憶する脳領域の候補として扁桃体の関与が示唆された。我々には、記憶された嫌悪刺激を回避するという行動特性が備わっており、本研究の結果は、運動離れ(嫌いな運動を避ける行動)を引き起こす脳機能解明に向けた基盤データになると考えられる。我が国では、運動習慣者率の改善が大きな課題になっているが、運動離れの行動特性や脳機構が分かれば、改善のための手立てを検討する際の一助にもなり得ると考えられる。
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