研究課題/領域番号 |
20K11421
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
曾根 幹子 広島市立大学, 国際学部, 名誉教授 (00275398)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 戦没オリンピアン / 出征 / 戦争体験 / 帰還オリンピアン / 戦後のスポーツ界 / 復興・再建 / 戦後スポーツ / オリンピアン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本人オリンピアンたちの「戦争体験」に着目し、これまで一兵士として軍事史の中に埋もれていた彼らの経験を掘り起こし、オリンピアンの出征とスポーツ組織・団体の戦時下のスタンスや行動の実相を、「オリンピアン」の視点から明らかにするとともに、帰還した彼らの「戦争体験」が、戦後のスポーツ界の復興・再建過程にいかなる影響を与えたかについて考察することを目的としている。 具体的には、戦争が原因で亡くなったオリンピアン(以下、戦没オリンピアン)と帰還したオリンピアンの軍隊とスポーツの「経験」を、軍事史とスポーツ史の両面から考察し、新たな歴史解釈から探っていく。
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研究実績の概要 |
2020年度に研究がスタートしたが、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延で、国外の調査ができていなかった。今年度は国外調査の実施が可能となり、研究計画で示した以下の2点に関して目的を達成した。 ①ベルリン・スポーツ博物館に「日本戦没オリンピアン」名簿(38名)のドイツ語版と、日本戦没オリンピアンに関する詳細な資料を届けた。当該館では、ヴェロニカ館長、スポーツ歴史図書館アーカイブ文書収集担当サーシャイン氏、博物館教育担当のマイケ氏、その他インターン生2名の計5名が出席した。2015年に博物館を訪問後、館長が2人替わっていたこともあり、当該博物館所蔵の「世界戦没オリンピアン」名簿の間違いや、日本戦没オリンピアン名の間違いについて改めてこれまでの経緯と説明を行った。このことは共同通信社が記事にして配信した(長崎新聞「時の顔」「日本の戦没オリンピアンの実態を解明した広島市立大学名誉教授曾根幹子」2023年12月2日付、他、数社が掲載)。館長からは、当該館の常設展示に向けナチスの強制収容所にいた1936年ベルリン五輪出場者の行方を調査しており、筆者の研究への関心と共に有益な情報交換の場となった。 ②戦後スポーツ界の復興・再建過程で鍵を握る一人として、毎日新聞・ドイツ特派員記者として東部・北部戦線を取材した大島鎌吉氏(陸上・三段跳、1932年、1936年五輪出場)を対象にしている。昨年、関西大学の「大島鎌吉アーカイブ」で資料収集した内容を基に国外での調査を実施。1982年7月に大島がオリンピック平和賞(ハンス・ハインリッヒ・ジーフェルト賞)授賞式後に立ち寄った北ドイツのオイティン市や、交流のあった「世界戦没オリンピアン」事務局を運営していたハンス・フリッチ氏に関する情報収集も行った。アムステルダム五輪やアントワープ五輪会場でも調査を実施したが、研究に関する有力な情報が乏しく収穫はなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究助成(2020-2023)開始から、新型コロナの世界的蔓延により、国外調査の実施が最終年度の2023年度からになり、先方との打ち合わせ延期も進捗状況の遅れにつながっている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画に入っていたドイツ以外の国外調査ができていない(フィンランドとロシアの「冬の戦争」で亡くなったオリンピアンの調査など)。遅れを取り戻すための研究期間も残り少ない為、調査先の変更を検討しながら結果につなげたい。
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