研究課題/領域番号 |
20K11422
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
山元 健太 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (80434380)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 運動 / 身体活動 / 糖尿病 / SGLT2阻害薬 / 血糖管理 |
研究開始時の研究の概要 |
人間ドックデータベースによると、薬物療法を受けているⅡ型糖尿病患者の約50%しか、合併症予防のための目標であるHbA1c7%未満を達成していない。運動は糖尿病の予防のみならず、その改善にも有効とされているが、運動と薬物療法の併用効果についての研究は非常に少ない。新しい糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬は、運動の効果には無い、尿中に糖を排泄させることで血糖を下げる薬である。本研究では、このSGLT2阻害薬と運動・身体活動の併用が血糖コントロール目標達成率に及ぼす影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は以下の2点について解析した。 1)SGLT2阻害薬を服用しているにも関わらず血糖管理未達成(HbA1c7%以上)の患者が運動や身体活動の習慣を持った際の併用効果(1年間の縦断的解析)。運動習慣を併用した患者(n=96)におけるHbA1cの減少量は、運動習慣を併用しなかった患者(n=1,219)と比較して大きかった(-0.34 vs. -0.16%, p=0.036)。しかし、HbA1c7%未満達成率および交絡因子を調整したオッズ比においては、有意な差は観察されなかった。また、身体活動を併用した患者(n=181)においては、身体活動を併用していない患者と比較して(n=1,134)、HbA1cの減少量、血糖管理率、交絡因子を調整したオッズ比のいずれにおいても有意な差は観察されなかった。 2)運動や身体活動の習慣があるにも関わらず血糖管理未達成(HbA1c7%以上)の患者がSGLT2阻害薬を服用した際の併用効果(1年間の縦断的解析)。SGLT2阻害薬服用患者(n=369)におけるHbA1cの減少量は非服用患者(n=2,576)と比較して大きかった(-0.89 vs. -0.18%, p<0.001)。また、SGLT2阻害薬服用患者におけるHbA1c7%未満の達成率は34.7%であり、非服用患者の達成率24.3%と比較して有意に高かった(P<0.001)。交絡因子を調整した結果、SGLT2阻害薬服用患者のHbA1c7%未満達成のオッズ比は1.73(95%信頼区間:1.34‐2.22)と非服用患者と比較して有意に高かった。 これらの結果から、運動や身体活動の習慣があるにも関わらす血糖不良患者において、SGLT2阻害薬による治療は血糖管理を向上させることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は以下の2点を解析した。これらは、計画通りの進捗状況である。 (1)SGLT2阻害薬を服用しているにも関わらず血糖コントロール未達成の患者が運動や身体活動の習慣を持った際の併用効果(縦断的解析) (2)運動や身体活動の習慣があるにも関わらず血糖コントロール未達成の患者がSGLT2阻害薬を服用した際の併用効果(縦断的解析) 解析の結果、以下のことが示された。(1)SGLT2阻害薬服用しているにも関わらず血糖管理不良患者において、運動はHbA1cの低下を促進させるが、血糖管理を向上させるまでには至らなかった。(2)運動や身体活動の習慣があるにも関わらす血糖不良患者において、SGLT2阻害薬による治療は血糖管理を向上させた。
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今後の研究の推進方策 |
本申請課題の研究結果を国際学会および学術誌に発表する予定である。
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