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筋分化モデル細胞のマイオカイン分泌に及ぼすイミダゾールジペプチドの作用解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K11424
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59020:スポーツ科学関連
研究機関順天堂大学

研究代表者

數野 彩子  順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (00338344)

研究分担者 上野 隆  順天堂大学, 大学院医学研究科, 客員教授 (10053373)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードマイオカイン / カルノシン / イミダゾールジペプチド / 定量プロテオミクス / C2C12 / マルチプレックスアッセイ / 骨格筋分化 / nano LC-MS/MS / βーアラニン / nanoLC-MS/MS / β-アラニン / 骨格筋細胞分化 / プロテオミクス / マルチオミックス
研究開始時の研究の概要

近年、筋肉は様々な生理活性因子マイオカインを分泌し他の臓器や代謝に影響を与える分泌臓器であることが徐々に明らかとなっている。一方申請者らはマウス骨格筋細胞株を用いた筋分化実験系におよぼすイミダゾールジペプチドの効果についてプロテオミクス解析を行った結果、複数の遺伝子産物の発現が上昇することを発見した。この結果をもとに培養筋芽細胞を用いてマルチオミックス解析、バイオインフォマティックス解析等を行い、マイオカインを介した骨格筋細胞の分化・再生におよぼすイミダゾールジペプチドの影響を明らかにする。本研究によりイミダゾールジペプチドの摂取が生活習慣病やサルコペニアの予防につながることも期待される。

研究実績の概要

カルノシンはβ-アラニンとヒスチジンから合成され骨格筋に多く含まれる。筋収縮の代謝生成物である乳酸による筋肉の酸性化に対する緩衝作用や、抗酸化作用を発揮し筋収縮を活性化させると考えられている。NOの代謝、産生との関連も報告されている。近年、骨格筋から分泌されその働きが注目されているマイオカインは全身の組織に影響を及ぼすことで生体恒常性の維持や健康の促進に与っていると考えられる。本研究の目的は、筋分化・再生モデルとして知られるマウスC2C12培養細胞を用いて、骨格筋収縮を活性化するカルノシンがC2C12細胞の分化及びマイオカイン分泌に与える影響を明らかにすることである。
2022年度で、骨格筋に含まれるカルノシン存在下および非存在下(対照)で2%ウマ血清(HS)によりC2C12を7日間筋分化させ、培養上清のマイオカインをLuminexアッセイにより経時的に定量した結果、BDNF、FGF21、FSTL1、osteonectin、osteocrin、irisinの分泌上昇が確認された。Osteocrinとirisinは培養の初期に急激に上昇しその後減少した。BDNF、FGF21、FSTL1、osteonectinは経時的な上昇が確認された。BDNF、FGF21、osteocrinは筋における脂肪酸酸化や糖の取り込み、糖代謝との関連が報告されている。2023年度では、上記のマイオカイン分泌へのカルノシンの影響の再現性の確認を行うためにC2C12分化実験を繰り返し試みた。その結果、BDNFがカルノシン存在下で最も有意に上昇していることが認められた。BDNFはそもそも脳に発現する神経性因子であり、骨格筋の運動能力の維持にも重要な因子である。BDNF分泌量が有意に上昇したことは、カルノシンが運動による筋収縮活性化に加えて筋肉と脳のクロストークにも寄与していることを示唆して興味深い。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マイオカイン分泌へのカルノシンの効果をLuminexで解析するのと並行して定量プロテオミクス解析を行い、カルノシンによって有意に発現上昇が認められたタンパク質、特に平滑筋や細胞運動系のタンパクについてウェスタンブロットによる確認を行っている。これまでの研究成果を学会発表等で発表する準備を進めている。

今後の研究の推進方策

C2C12分化に伴うマイオカイン分泌上昇がカルノシン処理条件とどのように相関するかに焦点を当ててさらに詳細な解析を進める。定量プロテオミクスの結果から行ったgene ontology解析およびパスウェイ解析から示唆されたように、カルノシンが筋分化の促進に加え糖や脂質の代謝に影響を及ぼす酵素の活性やマイオカインへの影響が確認されれば、サルコペニアの改善や老化の抑制にも効果が期待される。今後はさらに老化モデルとなりうるC2C12細胞の培養条件等の検討を行い、カルノシンの添加やそれに伴うマイオカイン分泌の変化がサルコペニアを含めた老化現象に及ぼす抑制的な作用を明らかにする。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] O-glycosylated clusterin as a sensitive marker for diagnosing early stages of prostate cancer.2021

    • 著者名/発表者名
      Saiko Kazuno, Tsutomu Fujimura, Makoto Fujime, Yoshiki Miura, Takashi Ueno
    • 雑誌名

      The Prostate

      巻: 81 号: 3 ページ: 170-181

    • DOI

      10.1002/pros.24094

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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