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心拍変動からみた至適運動強度の設定

研究課題

研究課題/領域番号 20K11428
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59020:スポーツ科学関連
研究機関日本大学

研究代表者

長澤 純一  日本大学, 文理学部, 教授 (40228002)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード心拍変動 / 非線形解析 / 至適運動強度 / DFA法 / 低酸素 / 運動強度
研究開始時の研究の概要

心拍変動にトレンド除去法を適用して解析し,とくに自律神経性の制御ならびに循環系の健全性を保ちうる,という観点から種々の環境要因を考慮した至適運動強度を明確にしていく。心拍変動による測定は非侵襲的で即時性があり,その日の体調を考慮した運動強度の処方が可能になるとすれば,健康のための処方として大いに有為であると考えられる。測定は,指標となる指数”α”が,生理学的な身体負担度とどのように関連するかを,常酸素安静時を基準に,低酸素暴露などの環境要因,ならびに鍛錬度の違いなどをもとに運動強度を種々設定して網羅的に評価するもので,最終的には至適強度指標として一般化することを目標とする。

研究実績の概要

心拍変動(Heart Rate Variability:HRV)は,自律神経系の状態や,心血管系の健全性などを評価するものとされている。このため,HRVの数値を”循環系に過剰なストレスを生じさせない運動の水準”などといった見地から,トレーニング強度の指標として応用できないかといった研究が累積されてきている。本研究においても,心拍変動をトレンド除去法(DFA法)を適用して解析し,HRVを利用した至適運動強度を設定する根拠を得られるかを明確にしようとした。
運動は自転車エルゴメーターを用い,様々な運動環境を設定するため,3段階の酸素濃度(20.5%,17.0%,14.5%)を設定し(標高100m,1500mおよび2800m程度を想定),それぞれ3段階の運動負荷(5W,50W,125W)で日を分けて計9回行わせた。HRV解析は,仰臥位安静(10分間安静の後半5分間)に引き続いて35分間運動させ,その間5分ごとの解析を運動終了まで7回行った。
動脈血酸素飽和度は,環境酸素濃度依存的に順序効果を持って低下した。筋酸素飽和度は,20.5%と17%環境では大きな差異を認めず,14.5%のみで顕著な低下傾向を示した。DFA法によるαの値は,5wから50Wでは運動開始当初から大きな変動を示さなかったが, 125W運動時には運動中次第に低下する傾向を示した。これは,酸素濃度の差異にかかわらず生じる傾向であった。また,17%程度までの酸素濃度の低下は,心拍変動のパフォーマンスに大きな差異を与えないことが示された。
最終年度は,HRVに加えて運動がもたらすストレスの程度を評価するために,運動強度の影響とともに低酸素ストレスおよび酸化ストレスの影響を加味してHIF-1に誘導される因子の変容,ならびにNOS3遺伝子関連についてマイクロアレイを用いて評価することにしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

COVID-19の社会環境で,被験者を測定に集められなかったこと,および機器の故障によって生じた遅延であったが,原因となる状況はすべて解消し,被験者を使った測定はすでに終了している。データは,呼気パラメータ(酸素摂取量,換気量など),経皮的動脈血酸素濃度, 筋酸素飽和度,心拍変動(DFA法によるα1動態の極大値,安静値との差分(Δ値)など)の集計も終了しており,統計的な分析を進めている。

今後の研究の推進方策

運動処方上,運動強度は,%VO2maxや無酸素性作業閾値などを基準として設定されてきたが,これらは暑熱・寒冷,標高などの環境要因が考慮に入れられているわけではない。また,そもそも「本日の至適運動強度は(自転車で)何ワットである」などという処方が困難なのは,個々人のその日の体調や疲労の程度が一様でないために,あまりに具体的な数値設定が適切ではないことにもよっている。自律神経系の状態を基盤とするHRVの測定は,被験者の置かれた環境を鋭敏に反映するため,運動の処方に,より明確な時間および強度設定が可能になるものと考えられる。今後さらに,HRVデータの統計処理,および運動に対するマイクロアレイによる遺伝子上の解析を進め研究を終結させる。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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