研究課題/領域番号 |
20K11454
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
関 和俊 流通科学大学, 人間社会学部, 教授 (30552210)
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研究分担者 |
高原 皓全 吉備国際大学, 社会科学部, 准教授 (20641327)
山口 英峰 吉備国際大学, 社会科学部, 教授 (30388996)
小野寺 昇 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50160924)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 力発揮調整能 / 脊髄α運動ニューロン / F波出現頻度 / 加齢 / 運動習慣 / 利き手 / F波 / 潜時 / 筋電図 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、「力発揮調整能」に関わる脊髄α運動ニューロンの興奮性適応が、力発揮中のみではなく、力発揮直後においても①運動習慣の有無、②加齢の影響を受けることを明らかにしている。しかしながら、力発揮後の時間経過における様相は不明であり、更なる検討の必要性が生じた。さらに、③利き手・非利き手には運動制御機能に差が生じることから、個人 内における様相を明らかにする意義も唱えられた。そこで、運動出力の最終共通路である 『脊髄α運動ニューロンの興奮性』を指標として個人間・個人内差から力発揮加減の調整能 を総合的に把握し、運動前・中・後の時間経過に伴う神経-筋系の亢進度合いを解明する。
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研究実績の概要 |
若年男性19名(運動習慣有9名、無10名)、高齢男性19名(運動習慣有9名、無10名)を対象にし、①加齢差、②運動習慣の有無、③利き手と非利き手の違いが等尺性維持(20秒間)課題時における力発揮調整能および誘発筋電図F波に及ぼす影響について検討した。 力発揮調整能は、各運動条件(低強度:20%MVC、中強度:40%MVC、高強度:60%MVC)において、加齢差や利き手・非利き手の違いは観察されなかった。若年者のみ、運動習慣有者が無者よりも低・中強度の力発揮調整能力が有意に優れていた(P<0.05)。 脊髄α運動ニューロンの興奮性指標であるF波出現頻度は、運動課題前の安静レベルから加齢の影響を受け、運動習慣の有無および利き手と非利き手の違いは関係がなく、高齢者は若年者に比して有意に高値を示した(P<0.05)。 運動課題中では、若年者は把握運動なし(コントロール)および低強度条件では、運動習慣の有無、利き手と非利き手の違いにおける群間差は観察されなかった。一方、中・高強度条件では、運動習慣有群の非利き手側のみ、運動習慣無群の利き手・非利き手において、掌握運動中のF波出現頻度が有意に増加した(P<0.05: 安静 vs. 掌握運動中)。高齢者は運動習慣有群の利き手・非利き手ともに運動強度の影響はなく、運動習慣無群の非利き手側のみ掌握運動の影響を受け、F波出現頻度が有意に増加した(P<0.05: 安静 vs. 掌握運動中)。また、掌握運動直後20秒間は高値を示したままで、それ以降に脊髄α運動ニューロンの興奮性は安静レベルまで戻った。 以上の結果から、安静レベルから脊髄α運動ニューロンの興奮性には生理的加齢性の影響があること、掌握運動においては①加齢差、②運動習慣の有無、③利き手と非利き手の違いがそれぞれあることが示唆された。
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