研究課題/領域番号 |
20K11461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
吉田 伊津美 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (30335955)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 運動遊び / 多様な動き / 幼保小連携 / 養成課程 / 体育 / 保幼小接続 / 遊び / 幼児期 / 低学年 |
研究開始時の研究の概要 |
学校体育における幼児期の教育と小学校教育との円滑な接続を目指すため、(1)保育者と小学校教諭の「多様な動き/基本的な動き」「遊び」に対する認識を質問紙調査により明らかにし、(2)保育者・教員養成校の運動遊び等関連科目担当教員を対象に「多様な動き/基本的な動き」「遊び」に関する教授内容を明らかにする。これらから(3)保育者と小学校教諭の認識を比較するとともに、養成校での教授内容を踏まえて認識を形成する背景や課題について検討し、幼児期および小学校低学年の運動遊び(体育)に関する教育実践への提言を行う。
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研究実績の概要 |
令和4(2022)年度は、先延ばしとなっていた自治体より追加で質問紙を回収(全体では計108名)、低学年体育における実際の運動遊び指導について探索的因子分析(最尤法・プロマックス回転)を行い、F1「思考力尊重」、F2「成就感・達成感重視」、F3「教師主導」の3因子を抽出した。これらの因子得点に教員歴、低学年担当歴等では差はみられなかったが、低学年体育で重視していること(目標に関わる上位3項目を選択)で、「体力の向上を目指すこと」及び「成就感や達成感を味わうこと」を選択した者は、選択しなかった者に比べ「思考力尊重」が有意に低かった。また多様な動き(基本的な動き)の理解度の高い者は低い者に比べ「思考力尊重」「成就感・達成感重視」が有意に高かった。さらに普段の体育授業の指導形態を遊び志向の程度により分類し比較したところ、遊び志向の高い指導形態である方が「思考力尊重」が高く、教師の認識の違いによって運動指導の傾向が異なっていた(目的1-2)。 一方、保育者(昨年度回収)及び小学校教諭の両者に尋ねた「運動遊び」をイメージする言葉(語句)の自由記述についてKH Coderにより計量テキスト分析を行ったところ、抽出語の1位は「楽しい」で76.9%が回答しており、続いて「元気」「活発」「明るい」などの語が抽出された。外部変数(保育者/小学校教諭)と抽出語の共起ネットワークより、頻度の高い抽出語の他「うれしい」「気持ちいい」など肯定的な感情や「動く」「体力」など身体活動に関わる語句が両者に共通する運動遊びのイメージであった。この他小学校教諭は低学年の目標である「安全」「意欲」の他、「集団」「一緒」などが共起していたのに対し、保育者は「健康」「自信」の他、「苦手」「疲れる」といったネガティブな語句が共起しており保育者は運動遊びに対し否定的、苦手意識を持つ者がいることが伺えた【目的3】。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小学校教諭対象の調査がCOVID-19の影響で先延ばしとなり、回収に時間を要し分析時期がずれ込んだため。
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今後の研究の推進方策 |
養成校を対象とする調査(目的2)は作成次第実施を予定している。 また当初は質問紙を郵送しての調査を計画していたが、Web調査での実施により効率化を図る予定である。
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