研究課題/領域番号 |
20K11465
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
出口 達也 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (60227543)
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研究分担者 |
柳岡 拓磨 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (20846951)
黒坂 志穂 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80580901)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 柔道 / 投技 / 体力要素 / 体力 / 身体能力 / 性別 / 階級 / 性差 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の柔道における試合分析において、階級や性別によって試合の様相が大きく異なることが明らかとなった。この結果は、性別や階級によって、柔道選手に求められる身体能力が異なる可能性があることを示している。しかしながら、これまでの柔道選手に求められる身体能力に関する研究では、階級や性別を考慮した研究は散見されておらず、柔道選手に求められる身体能力が具体化されていない。そこで本研究では、各性別・階級における柔道選手に重要とされる身体能力を具体化することを目的とする。本研究の知見は、柔道選手へ向けた適切なトレーニングの処方を解明していくためのトレーニング科学分野の発展に寄与することが期待される。
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研究実績の概要 |
柔道の投技における「一本」とは,「『スピード・力強さ・背中が着く・着地の終わりまでしっかりとコントロールしている』が満たされていた場合」と公益財団法人全日本柔道連盟では定義されている1)).その為,柔道では,試合において「一本」を取るためには,効果的な投技を施すことが重要である.一般的に柔道選手は,得意技を身につけており,その技を用いて試合で相手を投げる傾向がある.この得意技について深見ら(2021)は投技を手技,足技,腰技の3つのグループに分類し,個々の得意技によって必要な下肢筋力・パワーに違いが生じることを明らかにしている2)).しかし,柔道では,攻防の局面が変わりやすい点や一瞬で相手を投げる点を考慮すると,瞬発力が重要であると筆者は考える.しかしながら,柔道選手の得意技によって求められる瞬発力に着目した研究は乏しいそこで本研究では,柔道選手と他競技の選手を比較し,柔道選手の下肢筋力・瞬発力の特性を明らかにすることまた柔道の投技における得意技別での下肢筋力・瞬発力の特性を明らかにすることを目的とした。 方法は、筋力脚筋力測定器を用いて左右2回ずつ測定し、最大筋力値と体重から膝伸展筋力を算出し、瞬発力は垂直跳びで測定した。 結果として、柔道と他6競技の測定結果から、膝伸展筋力は男女ともに能力が高いが、瞬発力は低い傾向であることが判明した。柔道選手は瞬間的に筋力を発揮する瞬発力が重要であるため、トレーニングを実施する必要がある。得意技グループの測定から、足技、腰技、手技群の特徴が存在することが考えられ、技を施す際の下肢の身体動作が影響することから、技に適した体力要素と習得方法を用いる必要があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染拡大により、予定していた測定会の実施、特にハイレベルの柔道選手における測定が延期となった。 そのため、若干遅延しているが、一般柔道選手への測定は順調であり、本研究の目的の一部である投技における得意技別での下肢筋力・瞬発力の特性を明らかにすることができた。 次年度は、延期していた測定を実施し、研究を完成させる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
柔道において、全国大会上位入賞を果たすような競技選手を対象に、その体力要素を分析し、これまでに取得した一般柔道選手との比較を行うことにより、階級と性別によって身体能力がどのように異なるかを検討する。
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