研究課題/領域番号 |
20K11491
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
坂下 玲子 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (20178552)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 運動遊び / 体育 / アフォーダンス / ケアリング / 身体教育 / 体育授業 / 共感 / 保幼小接続 / 体育学習 / アフォーダンス特性 / 主体的・対話的で深い学び |
研究開始時の研究の概要 |
子供たちに生涯にわたって能動的に学び続けることができる資質・能力を育成するために、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善が全ての教科において求められている。この資質・能力は、幼児期から小学校以上の教育を貫くものとして示されている。 幼児教育における運動遊びを通して3つの資質・能力を一体的に育んでいくような総合的な学びから小学校の体育へのスムーズな接続のために、子供の行為を誘発するアフォーダンス理論を援用し、子供のからだが開き、からだが動く学習デザインを開発する。そのために、文献による理論的研究を踏まえ、実践者(保育士や教師)との協働による実践研究を実施し、実証的に検討する。
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研究実績の概要 |
本研究では、生涯にわたって能動的に学び続けることができる資質・能力を育成するために、保育及び体育授業における子どもの「主体的・対話的で深い学び」のためのアフォーダンス特性の援用について明らかにすることを目的としている。 本年度は、幼稚園2園、認定こども園1園において、運動遊びの観察及び園長・保育者へのインタビュー調査を行った。 対象幼稚園において、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、子供たちが家庭で過ごさざるを得ない生活が続き、十分に体を動かす機会が減り、転んだ時に手をつけずに怪我をするという事例が数件続いたことが報告されていたため、子供たちが楽しさを感じ、主体的に取り組む運動遊びについて、環境構成の工夫とカンファレンスによる幼児理解を深める取り組みを行った。鉄棒遊びでは、移動式の鉄棒を置く場所の工夫やICTの活用にも取り組んだ。また、固定遊具や鉄棒を組み合わせるなどの環境構成を工夫することにより、「走る」「ぶらさがる」「登る」「すべる」「跳ぶ」「バランスをとる」などの多様な動きが見られた。また、鉄棒運動や園のオリジナルの体操は年少児が年長児の動きへの憧れから動きに取り組んだり、年長児にも自信をもって取り組むなどの変化が見られている。ICT環境を活用してカンファレンスを行ったり、保護者とも視覚的な情報を共有する取り組みも運動遊びの環境構成において有用であった。 また、他の幼稚園、認定子ども園において、移動式の固定遊具の設置場所の工夫、築山の活用、人工芝の設置、斜度のある遊び場の設置等により、子供たちは楽しみながら運動遊びに夢中になって取り組んでおり、動きの変化や発展が観察され、環境構成と動きについての資料を収集することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度も、新型コロナウイルス感染拡大の影響がみられたが、幼稚園、認定こども園において、運動遊びの観察及び園長・保育者へのインタビュー調査を行い、資料を収集することができた。しかし、2020年度および2021年度に予定していたが新型コロナウイルス感染拡大のために遂行できなかった運動遊び等の観察がまだ不十分であり、(3)やや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施した、幼稚園、認定こども園において、運動遊びの観察及び園長・保育者へのインタビュー調査によるデータの分析を進めていくが、2020年度および2021年度に予定していたが新型コロナウイルス感染拡大のために遂行できなかった運動遊びの観察の追加等を行っていく。 また、これまで継続して進めてきた身体教育、身体論に関する文献研究についても子供のからだが「開き」、からだが「動く」という視点から整理していく。
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