研究課題/領域番号 |
20K11497
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
永木 耕介 法政大学, スポーツ健康学部, 教授 (10217979)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 嘉納治五郎 / 柔道思想 / オリンピック柔道採用 / 柔道とスポーツ / カウンターカルチャー / オリンピック / 嘉納治五郎の思想 / 自他共栄 / Diversity / 国際オリンピック委員会 |
研究開始時の研究の概要 |
筆者はこれまでの研究において「嘉納は柔道をオリンピック種目とすることを望んでいなかった」という点を指摘してきた。一方で、1964年オリンピック東京大会における柔道採用については「嘉納の遺志であった」という論調が形成されており、いずれが正しいのか、今日に至るまで明解な結論は導かれていない。そこで本研究では、新たな資料を発掘し、分析・検討することによって結論を導きたい。そして、仮にオリンピックの柔道採用を巡る戦前の嘉納の柔道思想と戦後との変化が大きかったとすれば、その理由を追究することは、これからの「スポーツ文化の多様性とオリンピックの在り方」を考えるうえで参考になろう。
|
研究実績の概要 |
2023年度は引き続き、「嘉納治五郎は柔道をオリンピックに入れる意思は無かった」という点について研究を進めた。2021年度は主に、国内に遺る新たな資料として、嘉納の教え子へのインタビューで録音された「柔道はスポーツではないからオリンピックに入れない」という趣旨の嘉納の発言について検討し、「日本スポーツ人類学会第23回大会」(2021年度)において口頭発表した。2022年度は、海外に遺る資料として、イギリスの武道会(Budokwai)のリーダーであった小泉軍治と嘉納との会話録である『Judo and the Olympic Games』(1936年)について、当資料を武道会に保存したRichard Bowenによる文献等を検討し、真に嘉納が発したものであろうと傍証した。この結果については、「日本スポーツ人類学会第24 回大会」(2022年度)において口頭発表した。上記に加え、2023年度においてさらに新たな資料を発見したため、それを検討するとともに、「嘉納治五郎は柔道をオリンピックに入れる意思は無かった」という点に関連して、雑誌『体育の科学』(Vol.73, No.6)の「多様化するスポーツ」という特集テーマより依頼を受け、「格闘スポーツと柔道ー嘉納治五郎の目的論からー」と題して寄稿した。2024年度はこれまでの研究成果をまとめた論文を学会誌へ投稿する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度からの研究成果により、「嘉納治五郎は柔道をオリンピックに入れる意思は無かった」という点はほぼ明らかになったが、それらを論文として公表するに至っていない。また、戦後において、嘉納の意思が受け継がれなかった原因に対する研究が進んでいない。
|
今後の研究の推進方策 |
戦前において「嘉納は柔道をオリンピックに入れる意思は無かった」ことを前提として、嘉納亡き戦後はどのような経緯によって1964年の第18回オリン ピック東京大会に柔道が採用されたのか、その点について追究することが今後の課題となる。その点について、国内における資料はいくつか収集済みであるが、 海外における資料収集が未完であり、同じテーマについて研究している、Prof. Dr. A. Niehaus (Gehnt University, Belgium)氏と面会し、海外に遺された資料について意見交換を行う予定である。
|