研究課題/領域番号 |
20K11509
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
臼田 春樹 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30707667)
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研究分担者 |
三島 義之 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (30397864)
和田 孝一郎 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (90263467)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 腸粘膜バリア / 腸粘膜透過性 / IBDの予後予測 / 粘膜透過性 / 炎症性腸疾患 / intestinal permeability / tight junction / diagnosis / microbiome |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、申請者が開発した腸のバリア機能を数値化して評価できる試薬を用いて、クローン病や潰瘍性大腸炎の早期発見や予後予測を行う方法を確立する. まず、これらの腸炎を起こすマウスモデルを用いて、腸炎が起こって悪化するまでの間に腸粘膜バリアが「いつ」「どの程度」低下するかを調べる. 次いで、腸粘膜バリアの低下を起こすタンパク質を腸組織の遺伝子の網羅的な解析などを用いて特定し、培養細胞を用いてどのように腸粘膜バリアが低下するかそのメカニズムを解析する. 検討がスムーズに進んだ場合には患者で症状と腸粘膜のバリア機能とが相関するかを検討する. これらの結果を総合して本研究の目的を達成する.
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研究成果の概要 |
腸粘膜透過性の新規評価試薬であるキトサンが、炎症性腸疾患 (IBD) 腸炎の病状や予後予測の評価試薬して利用可能であるか否かを検証した. 2種類の腸炎マウスモデル(T細胞の移入、IL10KO)において、キトサンは腸組織の器質的変化が顕在化する前に腸粘膜透過性が亢進することを評価できた. また、マイクロアレイを用いた検討によって、T細胞移入による腸炎モデルではmast cell proteaseが腸粘膜透過性の亢進に寄与する可能性が示された. 一方、キトサンはIBD患者でも病状の悪化を評価できることが示された. 以上の結果から、キトサンはIBDの評価試薬となりうることが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、IBDの肉眼的所見や病理所見だけでなく、そのような変化が見られない潜在的なIBDの状態悪化やその兆しを評価する手法を開発するための基礎的な知見を提供できたと考えている。これを利用すれば、疾患の増悪や緩解の評価の方法がより多様になるだけでなく、疾患の発症の予測やリスク評価にも利用できる可能性があり、社会的意義は大きいと考えられる。また、病理組織学的な変化がみられる前に分子量1000もの大きさの分子が通るほど腸粘膜透過性が増加するということは学術的な知見としても新規性があり意義があると考えられる。
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