研究課題/領域番号 |
20K11512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
金子 雪子 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (00381038)
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研究分担者 |
石川 智久 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10201914)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 糖尿病 / インスリン分泌 / 膵β細胞 / ジアシルグリセロールキナーゼ / ジアシルグリセロール / 細胞増殖 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに膵β細胞核に発現するジアシルグリセロールキナーゼδ(DGKδ)の欠損によりβ細胞増殖が惹起されるという知見を得ている。そこで、β細胞DGKδの抑制が糖尿病の治療標的となり得るのかについて検証するため、DGKδ欠損によるβ細胞増殖機序を詳細に明らかにするとともに、成体期におけるβ細胞DGKδ抑制によるβ細胞増殖およびDGKδ欠損の誘導による糖尿病の改善効果について検討を行う。
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研究成果の概要 |
1型のみならず2型糖尿病でもβ細胞量の減少が認められるが、β細胞増殖を標的とした糖尿病治療薬はない。本研究はDGKδ欠損マウスにおいて、膵島の増加による耐糖能改善や糖尿病進行抑制がみられるという我々の知見に基づき計画された。本研究より、脳など他組織での非特異的なDGKδ欠損による間接的な効果ではなく、β細胞特異的にDGKδが欠損することで、生体内で膵島が増殖すること、さらに増殖膵島は成熟したβ細胞により構成されることが明らかとなった。また、DGKδの局在制御の知見も得られた。本研究より、DGKδの発現や局在を制御することで、β細胞増殖による新たな糖尿病治療薬の標的となり得ることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
β細胞量の回復は糖尿病の根本治療になり得るものの、β細胞は胎生期以降ほとんど増殖せず、成体期にβ細胞増殖を惹起させるのは困難である。したがって、これまでにβ細胞増殖を標的とした治療薬はない。本研究において、β細胞特異的にDGKδを欠損させると成熟したβ細胞、すなわちグルコース濃度に応じインスリンを分泌し得るβ細胞が増殖することを証明し、DGKδがβ細胞増殖を標的とした新規糖尿病治療薬としての可能性が明らかとなった。本研究成果は病態生理学的意義だけでなく、今後の糖尿病治療薬の開発にも貢献しうる。
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