研究課題
基盤研究(C)
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、およびその重症型である非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と診断された症例で体組成計測と血清miRNAの網羅的解析を行い、体組成型別にNASH特異的に発現するmiRNA分子種を同定し、重症化予測アルゴリズムを構築する。本研究はNASH/NAFLDの中心病態を反映する体組成という栄養科学的なパラーメータを導入し、新世代型バイオマーカーのmiRNAと組み合わせる事で従来困難であった正確なNASH発症予測を目指す。
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の中から肝関連死亡が多い非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の高危険群を選別する簡便な診断法開発を目指し、体組成計測と血清マイクロRNA(miRNA)測定を組み合わせたNASH発症予測法の確立を目指した。当施設で病理診断されたNAFLD/NASH患者に生体電気インピーダンス法で体組成計測を行うと同時に患者血清miRNAを網羅的に解析した。体組成は5種類に分類され、各群のNASH-非NASH間で各miRNAの発現強度を比較した所、NASH症例で特異的に発現強度が変化しているmiRNA分子種が複数同定でき、更に特定の体組成型でこの傾向が強い事が示された。
NASHの早期診断・発症予測の研究は全世界で行われ、最新の血清バイオマーカーや画像検査法が数多く提案されているが感度・特異度に問題がある。その最大の原因は本疾患の発症進展に最大の影響を及ぼす患者体組成の観点を欠いている事であると思われる。短時間・簡便に行える体組成計測による栄養学的視点を血清miRNA解析に導入した本研究の成果はNASH診断・予測の研究分野に大きなインパクトをもたらすと考える。
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