研究課題
基盤研究(C)
慢性腎臓病(CKD)診療で食事療法は重要な柱の一つであり、24時間蓄尿検査と食事調査から食塩摂取量、たんぱく質摂取量、エネルギー摂取量の把握が可能となる。これまでに腎機能の低下は脳内酸素動態の悪化を招き、その悪化が認知機能の低下に関連することが報告されている。しかしながら現在まで、保存期CKD症例の食事療法と脳内酸素代謝・認知機能評価の関連に関する検討はない。本研究を通じて、CKD診療における食事療法が腎機能保持のみならず脳内酸素代謝および認知機能維持にも重要な役割を果たすことを明らかにしたい。
“慢性腎臓病症例における脳内酸素動態および認知機能と栄養学的指標の関連”の研究のまとめとして、透析療法を行っていない保存期慢性腎臓病症例では認知機能の評価尺度のMini-Mental State Examinationスコアの変化はBMI変化および脳内局所酸素飽和度変化と有意な正の関連を示すことが明らかとなり、脳内酸素動態の維持とともに栄養学的介入による体格の維持が認知機能の維持・改善につながることが明らかとなった。
本邦における慢性腎臓病症例は増加の一途をたどり、腎機能障害自体が認知機能障害の危険因子となるため、日常臨床では慢性腎臓病に認知機能障害を合併する症例の増加が問題となっている。本研究により、慢性腎臓病治療の柱の一つである適切な栄養管理を通したBMIに代表される体格の維持が、脳内酸素動態の維持とともに認知機能の維持・改善に働くことが明らかとなった。慢性腎臓病症例では、食塩およびたんぱく質の制限とともに適切なエネルギー摂取による体格の維持が認知機能障害の予防につながり、栄養指導の新たな重要性が示唆された。
すべて 2023 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 14件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 8件)
Int J Artif Organs.
巻: 3913988231168656 号: 5 ページ: 256-263
10.1177/03913988231168656
J Clin Med.
巻: 12 号: 15 ページ: 4904-4904
10.3390/jcm12154904
J Artif Organs
巻: ー 号: 3 ページ: 253-260
10.1007/s10047-023-01421-z
日本透析医会雑誌
巻: 38巻1号 ページ: 29-36
Sci Rep
巻: 13(1) 号: 1 ページ: 2576-2576
10.1038/s41598-023-29879-0
Radiology Case Reports
巻: 17 号: 8 ページ: 2589-2593
10.1016/j.radcr.2022.04.054
巻: 12(1) 号: 1 ページ: 10809-10809
10.1038/s41598-022-15129-2
J Artif Organs.
巻: - 号: 2 ページ: 127-133
10.1007/s10047-022-01343-2
Nefrologia
巻: 16 号: 4 ページ: 506-508
10.1016/j.nefroe.2022.11.009
PoS One
巻: 16 号: 10 ページ: e0259064-e0259064
10.1371/journal.pone.0259064
Int J Artif Organs
巻: 44 号: 11 ページ: 822-828
10.1177/03913988211020017
Nephron
巻: 145 号: 2 ページ: 1-8
10.1159/000513327
Cureus
巻: 13
10.7759/cureus.13023
PLOS ONE
巻: 15 号: 8 ページ: e0236720-e0236720
10.1371/journal.pone.0236720