研究課題/領域番号 |
20K11540
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
大寺 恵子 東邦大学, 薬学部, 助教 (70453850)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 老化 / 食事制限 / 腎臓 / タンパク尿 |
研究開始時の研究の概要 |
ラットは、高齢期にタンパク(アルブミン)尿症を発症するが、食餌制限を施すとタンパク尿症は改善する。しかしながら、食餌制限によるアルブミン尿症改善のメカニズムの詳細はまだ明らかになっていない。そこで本申請では、高齢ラットにおけるタンパク(アルブミン)尿症の発症および食餌制限による改善における腎臓の異常アルブミン蓄積の関与を調べるとともに異常アルブミンが腎近位尿細管再吸収後にどのような運命をたどるのかを検証する。本研究は、ラットを用いた基礎研究ではあるが、得られた成果は、腎臓における血液中の異常アルブミンの除去やアルブミン尿症の予防や治療および予後の改善方法の提案に繋がると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、老齢ラット腎近位尿細管にカルボニル化、AGE化、CML化された傷害アルブミン分子が蓄積することを見出した。この結果は、加齢で傷害アルブミン分子の分別・分解能が低下していることを示唆する。そこで異常タンパク質分解能を高める食餌制限を老齢ラットに実施した。アルブミン分解能および傷害アルブミン蓄積量に食餌制限の影響は認められなかった。一方、標識アルブミンのin vivoでの近位尿細管における取り込み量は食餌制限老齢で高まっていた。原尿に漏れ出た正常アルブミンの再吸収の活性化がアルブミン尿症改善に関わっている可能性があるが、傷害アルブミン分子の動向については今後解明すべき課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性腎臓病患者に対し、腎臓病の進行を遅らせるために、タンパク質制限による食事療法が行われる。これは、窒素代謝物排泄などによる腎臓への負担軽減を目指したものである。腎臓病患者に対するタンパク質制限の臨床研究は、タンパク摂取量の継続的な管理の難しさ、合併症や薬物療法の有無、年齢などの様々な要因が複雑に絡み合うためにタンパク質制限の効果の明確なエビデンスがないのが現状である。本研究は、ラットを用いた基礎研究ではあるが、平日隔日食餌制限老齢ラットのアルブミントランスサイトーシスの活性化機構が明らかになれば、タンパク尿の予防法や治療法の提案に繋がると考えられる。
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