研究課題/領域番号 |
20K11559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
永井 成美 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60364098)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | chrono-nutrition / shift work / dietary guide / canteen / feeding experiment / 時間栄養学 / 夜間・交替制勤務 / ガイドライン / 社員食堂 / 摂食試験 / 体内時計 / アプリ / 介入試験 / 食生活 / 行動変容 / 介入研究 / 夜間・交替制勤務者 / メニュー |
研究開始時の研究の概要 |
「働き方改革」により柔軟な働き方が広まりつつあるが、社会のインフラを支える24時間シフト制の職種は一定数存在する。体内時計とのズレにより生じるシフトワーカーの疾病や傷害を予防し、生産性と社会秩序を維持するためにも時間栄養学に基づく「食べ方改革」が望まれる。本研究では、1)食べる時刻(朝・昼・夕・夜間)や活動・睡眠時間帯を考慮した「食べ方改革レシピ」と「食べ方改革ルール」を開発し、2)夜間勤務のある事業所での介入研究により効果を検証する。最終目的は、一億総活躍社会をめざす「働き方改革」の中で勤務時間の変更が難しい夜間・シフト勤務者の健康を「食」で下支えし、活力ある社会の実現に貢献することである。
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研究成果の概要 |
時間栄養学の観点から夜勤・交替勤務者の食事改善のための研究を行い、興味深い知見を得た: 1)製造業の社員食堂のメニューを分析し、深夜に高脂肪・高甘味のメニューや食品が選択されやすいことがわかった。2)国内外のシフトワーカーのための食事ガイドを検討し「日本版シフトワーカーのための食事ガイド」を作成した。3) 作成した食事ガイドからポスターを作成しウェブ上で公開した。4) 摂食試験で、深夜に好まれる高脂肪・高甘味食摂取後に眠気増加や一部の認知機能低下が一時的に起こることを見出した。5)概日リズムを整えるスマホアプリを用いた4週間のRCTを行い、大学生の日中の眠気低減や学修に一定の効果が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
わが国のインフラや都市機能は多くの夜間・交替制勤務者に支えられている。本課題では、時間栄養学の視点から研究を行い、夜間・交替制勤務者の食事改善に資する知見を得ることができた。社員食堂で深夜に選ばれやすいメニューの特徴や、その選択されやすい高脂肪・高甘味の食事が摂食後の眠気や認知機能に一過性に影響することを摂食試験で明らかにした。また国内外のガイドラインや既報を翻訳・整理し「日本版シフトワーカーのための食事ガイドライン案」を作成・公表したり、ポスターを作成するなど社会実装に向けた活動も行なった。以上の成果は夜間・交替制勤務者の健康を食の面から支え、活力ある社会の実現に貢献できるものと考えられる。
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