研究課題/領域番号 |
20K11560
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
入江 康至 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70303948)
|
研究分担者 |
井上 里加子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (10508039)
國澤 純 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, センター長 (80376615)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 低蛋白質食 / サゴ / 低栄養 / 低蛋白食への適応 / 腸内細菌叢 / 蛋白・エネルギー低栄養 / 次世代シーケンサー / サゴ澱粉 |
研究開始時の研究の概要 |
ニューギニア島低地において、サゴ澱粉を主食とし、蛋白質摂取が少ない伝統的な食生活にもかかわらず、健康に暮らす少数民族が存在する。炭水化物に偏った食生活を送る彼らがサルコペニアや蛋白・エネルギー低栄養(PEM)を発症しないのはなぜか?を調べるため、同じ少数民族のなかで、低蛋白質食である伝統的な食生活の人々と、米を主食とする一般的な食生活の人々について、食生活の実態、体組成や栄養状態の調査を行い、さらに両群間で腸内細菌叢の違いが見出せるかを次世代シーケンサーおよびバイオインフォマティクスの手法を用いて検討する。さらに日本人の腸内細菌叢との比較を行い、低蛋白食への適応機構解明を目指す.
|
研究成果の概要 |
ニューギニア島の西部に居住する少数民族を対象として、調査および試料採取を行った。サゴヤシを主とする伝統食群(n=25)と、近代食群(n=25)に現地人医師が面接し、診察および食生活の調査、体組成測定、血液検査、腸内細菌叢解析を行った。この伝統食群と近代食群の比較に加え、日本人高齢者との食事・栄養状態の比較を行い、近代食群では摂取カロリー・蛋白質摂取量が施設入所高齢者、介護病棟入院者と同等以下であり、伝統食群では摂取カロリーは同等だが蛋白質摂取量が施設入所高齢者、介護病棟入院者の半分程度と非常に少なかった。しかしながら、ニューギニア島少数民族では両群ともにPEMを呈するものはいなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
介護施設入所中の後期高齢者では PEMの者が多く、さらに、施設や病院で提供される食事を完食するにもかかわらず低栄養状態になる者、同じ食事をしていても低栄養にならない者がいる。現在は、低栄養の者に蛋白質摂取を目的とした補助食品の付加が行われているが、効果的とは言い難い。 本研究では、ニューギニア島少数民族に、摂取カロリーは同等だが蛋白質摂取量が施設入所高齢者の半分程度と非常に少ない、サゴヤシを主とする伝統食を摂取する人々があり、彼らがPEMを発症しないことから、低蛋白食に適応する機構を持つことが示唆された。これは日本の高齢者におけるPEMの予防法や治療法の確立にも寄与すると考えられる。
|