研究課題/領域番号 |
20K11561
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
藤巻 康一郎 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (50324570)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
|
キーワード | うつ病予測モデル / 社会交流技能 / 診断閾値下抑うつ状態 / 精神作業 / 社会交流 / 精神作業時前頭葉活動 |
研究開始時の研究の概要 |
近年うつ病患者が急増しているが,その多くは軽症うつ病,もしくはうつ病と診断される基準以下の抑うつ状態(診断閾値下抑うつ)の患者であると推測され,我々は健常者の抑うつやその背景にある脳メカニズムを明らかにすることがうつ病予防につながると考える。そこで「閾値下抑うつは,精神作業速度及び社会交流技能と関連しており,その背景には前頭葉活動異常が存在する」という仮説の下,閾値下抑うつ評価と精神作業・社会交流技能評価および精神作業課題施行時前頭皮質血流変化の遷移に対し相互相関解析を用いる。その中で閾値下抑うつ評価スコアと連動する指標を導き出し,うつ病予防に新たな客観的補助評価法を持ち込むことを目的とする。
|
研究実績の概要 |
精神不調のある大学生を早期に発見し,介入や大学生活の環境調整などの早期対応が学生支援に必要とされる。その中でも大学生の自殺予防にはうつ病への早期介入が必要とされるが,うつ病には診断を満たす以前にも診断閾値下抑うつ状態(以下,閾値下抑うつ)が認められる。この「うつ病予備群」への早期対応が求められている状況において,閾値下抑うつをもつ大学生を早期に発見し,予防的介入を行うための生物学的診断指標を構築することを目標とし,課題1及び課題2を掲げている。 課題1】健常者において,ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)を施行し,閾値下抑うつ群を抽出する。 課題2】閾値下抑うつ群と非閾値下抑うつ群間で,精神作業・社会交流レベル・精神作業課題施行中前頭皮質血流変化(以下,血流変化)測定の評価を行い,そのスコアに群間で有意差があるテストバッテリー・血流変化チャネル部位を抽出する。また,抽出されたテストバッテリーに加え血流変化測定およびうつ病評価尺度を3カ月毎に行い,そのスコア間の連動の有無を相互相関解析にて統計学的評価を行い,閾値下抑うつ評価に連動したテストバッテリー・ NIRSチャンネル部位を決定する(予測モデル)。 上記課題1と2をまとめると,閾値下抑うつ関連指標として社会交流技能,精神作業及び精神作業時前頭葉活動を経時的に測定し,うつ病評価尺度遷移との間で相互相関解析を行い,発症予測指標を構築することを最終目標とする研究と言える。 以下に研究進捗状況を報告する。現在,53名の被検者にHAM-D,社会交流技能・精神作業評価としてACIS,WCST,D-CAT,COGNISTATを施行した。また近赤外分光法による精神作業課題(VFT)施行中前頭皮質血流変化測定を施行し,現時点で40名データ集積を行っている。今後は,仮説検証に必要なサンプルサイズまで被検者数を増やすことを予定している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は課題1及び課題2から成る。 課題1】健常者において,ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)を施行し,閾値下抑うつ群を抽出する。 課題2】閾値下抑うつ群と非閾値下抑うつ群間で,精神作業・社会交流レベル・精神作業課題施行中前頭皮質血流変化(以下,血流変化)測定の評価を行い,そのスコアに群間で有意差があるテストバッテリー・血流変化チャネル部位を抽出する。また,抽出されたテストバッテリーに加え血流変化測定およびうつ病評価尺度を3カ月毎に行い,そのスコア間の連動の有無を相互相関解析にて統計学的評価を行い,閾値下抑うつ評価に連動したテストバッテリー・ NIRSチャンネル部位を決定する(予測モデル)。 上記課題にて2020年度に研究開始するも開始年度から新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置施行に基づき研究施設への外部者入構・学生入構制限等が施行される状況があり,その為,研究協力者募集をはじめとする研究の連続性維持が困難な状況にあった。2022年度後期以降に,漸く被検者募集が可能な状況となり,現在53名の研究協力が得られているが,当初の研究計画よりも大幅に遅れている状況にあると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類へと移行した。その状況下で,漸く制限を全く受けない状況にて研究可能となり,令和6年度には研究協力者募集を一層進め,仮説検定に必要な研究協力者数を確保し,データ集積を進める予定である。
|