研究課題/領域番号 |
20K11568
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
草野 由理 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (90432252)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 骨格筋 / ジオスゲニン / 異化経路 / 胆汁酸 / 運動 / 筋量 / AMPK / 脂肪蓄積低減 / 植物ステロール / 骨格筋細胞 / 筋量維持・増進 / 筋タンパク質 / 細胞融合 / 多核 / 筋芽細胞 / ジネンジョ / ロコモティブシンドローム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は運動時に骨格筋に惹起される生理作用に着目し、「食」により類似の効果を得られないだろうかという立場から研究を行うものである。これまでにこの可能性をもつ食品成分を見出し、本申請研究期間中にはその成分がもつ作用機序の解明と、その活性を保持した食事提供を目指した応用研究に着手する予定である。本申請研究の遂行は、「食」が単に骨格筋の維持・増進に必要な材料の提供だけではないことを提示するとともに、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)予防に貢献するものと考えている。
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研究実績の概要 |
「運動」の主体を担う骨格筋は筋収縮により身体に動きを与える。その際、ATPによるエネルギー供給を伴うため、体重の約40%を占める骨格筋において、エネルギー消費刺激が惹起できれば効率よく摂取エネルギーを消費することが可能になる。これまでにジオスゲニンには内臓脂肪蓄積低減作用があることを、マウスを用いた動物実験から見出し、さらにマウス骨格筋由来筋芽細胞株C2C12細胞を用いて、ジオスゲニンには骨格筋細胞のエネルギー代謝経路を活性化することを示してきた。本研究はその作用機序の解明を行っており、昨年度からの継続として、本年度もその作用機序解明を試み、研究計画の課題1に対する研究を継続した。 またこれまでにこのジオスゲニンによる内臓脂肪蓄積作用は、ジオスゲニンの骨格筋に対する直接作用だけでなく、血中胆汁酸レベル亢進に伴う、胆汁酸による作用があることも考察している。この内容に関する研究課題2に相当するものとして、ジオスゲニンによる血中胆汁再濃度亢進作用の解明を、昨年度から試みている。今年度はこの点も継続し、ヒト腸管モデルとして用いられるCaco-2細胞を用いた検討を行った。 筋収縮は骨格筋の維持向上にも作用する。ジオスゲニンはC2C12筋芽細胞の細胞分化を亢進する活性があることも見出しており、この作用機序の解明も目指している(研究計画課題1)。この解明を担う実験系を構築する目的として、今年度は炎症系サイトカインを用いた筋委縮誘導の実験系の構築を試みた。この実験系を用いた骨格筋の維持向上に対する実験系が確立できた。ゆえに今後この実験系を用いて、ジオスゲニンによる作用解明も実施していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度までに研究はやや遅れており、今年度、その遅れを取り戻すことができかなった。しかし、昨年度得られた結果は、当初の研究計画を上回るものであり、今年度はその内容を継続するものになっている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに研究計画1及び2の研究が進められ、ジオスゲニンのエネルギー消費器官としての作用に対する作用機序を明らかにすることができた。特に研究計画2については、予定していた結果より興味深い結果が得られ、今年度はその内容を継続して研究を進めることができた。今後はこれらの研究を継続し、さらにその内容を進めるとともに、研究計画3の研究課題にも着手する予定である。 研究計画3に関しては、まずcell-free系の実験を試みる予定である。ジネンジョを用いてジオスゲニンを含む画分を入手し、その分析を進めようと考えている。
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