研究課題/領域番号 |
20K11569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
今井 佐恵子 京都女子大学, 家政学部, 教授 (00438235)
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研究分担者 |
福井 道明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30247829)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 食事療法 / 血糖値 / インスリン / 食べる順番 / 食べるスピード / 糖尿病 / 健常者 / 管理栄養士 / 食べ方 / 血糖変動 / ホルモン / 糖尿病患者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、食べるはやさや三角食べといった食べ方が、血糖値やインスリンに与える影響を明らかにし、日常生活において実行可能な提案をするための科学的根拠を構築することを目的とする。健康に対する意識の低い人々にとっても、エビデンスを示すことで食べ方の行動変容が進むと考える。超高齢社会において、食べ方に留意することは、血糖変動や過剰なインスリン分泌を抑制し、肥満や糖尿病発症および合併症進展予防、さらに脳梗塞、認知症などの疾病のリスクを下げる一助となり、わが国の医療政策の点からもきわめて重要である
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研究実績の概要 |
早食いと肥満、生活習慣病との関連については疫学調査あるいは観察研究の報告があるが、食べるスピードについてはすべて自己申告であるため客観性に乏しい。食べるスピード、食べ方と血糖値及びホルモン動態について調べるためには、統一された試験食を用いて無作為化比較クロスオーバー試験が必要である。 本研究では、健康な若年女性を対象に、食べるスピードを変えて試験食を摂取させ、血糖値およびインスリンを測定し、食べるスピードの違いが血糖値に及ぼす影響について無作為化比較クロスオーバー試験を実施した。結果、10分で野菜(副菜)→主菜→主食の順番で食べたときは、ゆっくり20分かけて主食→主菜→野菜(副菜)の順番で食べたときより、血糖変動、食後血糖ピーク値、血糖上昇曲線下面積等がすべて有意に抑制された。また、インスリンの標準偏差、最大インスリン値、インスリンの上昇曲線下面積も有意に抑えられた。野菜から20分かけてゆっくり食べたときと10分で同様の順番で食べたときは、食後30分の血糖値のみがゆっくり食べたときが有意に低かったがそれ以外に差はみられなかった。したがって10分間で食べきっても、適切な量の野菜を最初に食べ、次にタンパク質の主菜、最後に炭水化物を多く含む主食の順番に摂取すれば、血糖値の上昇抑制およびインスリンの節約に効果があることが立証された。 さらに長期間の介入研究として、2型糖尿病患者に管理栄養士が個別に野菜から食べる順番を中心とした栄養指導した群では、診察のみの対照群と比べ5年間の血糖コントロール、血圧、血清脂質が改善した。薬物療法の効果を除外しても栄養指導により、血糖コントロールと血圧は有意に改善された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
長期の栄養指導の効果についての論文が出版されたため、掲載料が次年度の支払いになる。さらに、栄養指導あるいは診療介入前後の長期間の動脈硬化の進展については、指標となる頸動脈内膜中膜複合体(IMT)の変化、糖尿病合併症の進展、薬物療法の変化などについて論文を執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
長期の個別栄養指導の効果について介入前後の長期間の動脈硬化の進展の指標となる頸動脈内膜中膜複合体(IMT)、合併症の発症進展を中心に論文を執筆中である。近日中に投稿する予定である。
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