研究課題/領域番号 |
20K11575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
岸本 良美 摂南大学, 農学部, 准教授 (70600477)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 血管炎症 / ポリフェノール / HO-1 / Sestrin2 / エンドセリン1 / ストレス応答 / 食品成分 |
研究開始時の研究の概要 |
HO-1ならびにSestrin2はストレス誘導性の抗酸化・抗炎症因子であり、動脈硬化所見の有症者において血中濃度が高値であったことが報告されている。本研究では、『HO-1とSestrin2は動脈硬化進展に関与する重要な分子なのではないか?』、また、『それらを標的としたポリフェノール類をはじめとする食品成分による抗動脈硬化作用機構が存在するのではないか?』との仮説を立て、培養細胞(血管内皮細胞、マクロファージ様細胞、肝細胞)を用いた実験で検証する。
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研究実績の概要 |
動脈硬化の進展には酸化ストレスや炎症、小胞体ストレスが深く関与している。本研究では、ストレス誘導性の抗酸化・抗炎症因子であるヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)ならびにSestrin2が動脈硬化進展に関与する重要な分子であり、それらを標的としたポリフェノール類をはじめとする食品成分による動脈硬化予防作用が存在するという仮説に基づき、研究を進めている。 前年度までに引き続き、ヒト臍帯静脈内皮細胞HUVECを用い、炎症性サイトカイン(TNF-α)刺激による血管内皮機能障害ならびに、過酸化水素刺激による酸化ストレス傷害に対するポリフェノールの効果を検討した。HO-1発現上昇作用を認めたポリフェノールの一種において、過酸化水素による細胞死に対する保護効果について検討したところ、ポリフェノールの前処理により、細胞生存率の低下が有意に改善した。また、過酸化水素刺激下においても、HO-1のmRNA発現量の有意な上昇が認められた。 また、動脈硬化性疾患におけるHO-1とSestrin2の関連を検討するため、冠動脈造影例の血漿中のHO-1ならびにSestrin2濃度と心血管イベント発症との関連について解析を行った。HO-1は心血管イベント発症との関連が認められなかったが、Sestrin2は血漿中濃度が高い群で心血管イベント発生率が高く、多変量Cox回帰分析の結果、Sestrin2濃度は心血管イベントの有意な関連因子であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
HO-1発現上昇作用を認めたポリフェノールの一種において、酸化ストレス傷害に対する保護効果を発揮することを明らかにできたが、血管内皮機能改善作用の機序については検討に時間を要し、解明には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
反応に関わるシグナル分子の活性化評価、細胞内活性酸素種(ROS)の定量、阻害剤やノックダウンなどを行い、作用機序の解明を目指す。最終的な成果を論文にまとめる。
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