研究課題/領域番号 |
20K11579
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
椋田 崇生 鳥取大学, 医学部, 准教授 (60346335)
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研究分担者 |
小山 友香 鳥取大学, 医学部, 助教 (30827572)
濱崎 佐和子 鳥取大学, 医学部, 講師 (80735267)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 温熱刺激 / 海馬 / 神経新生 / 空間学習 / 血管構造 / 血管透過性 / 血管微細構造 / 神経再生 / 血管新生 / アンギオテンシンII / 血液脳関門 / 成長因子 / 暑熱曝露 |
研究開始時の研究の概要 |
適度な温度の入浴やサウナ浴は私たちが日常的に容易に経験できる心地よい刺激のひとつである。経験的に、こうした温熱刺激が心身に良い効果を与えている印象も強いが、その科学的根拠は十分ではない。そこで本研究では、温熱刺激が学習や記憶を担う脳の海馬の構造と働きに与える影響とそのメカニズムを明らかにし、入浴やサウナ浴など手軽な取り組みを健康維持や増進につなげるための基礎を作り上げることを目指す。
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研究成果の概要 |
短時間の温熱刺激は血中Ang II濃度の一過性の上昇をトリガーとして海馬神経新生を促進することから、海馬の構造維持・リモデリングに有効な刺激である。また、週齢や雌雄に関係なく、海馬依存的な空間学習の成立を早めることがわかった。これは、温熱刺激が海馬機能の向上に有効であることを示す。さらに、温熱刺激により変動する遺伝子を網羅的に探索し、神経新生・再生、血管新生・透過性の調節に関与する遺伝子が含まれることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトにおいて温熱刺激は入浴やサウナ浴などによって、健常者でだけでなく、障害者や高齢者であっても介助支援のもと、日常的に繰り返し経験できる。これは、海馬の構造維持と機能向上を目指すとき、運動よりも応用し易いことを示唆している。本研究の成果は、疾患や高齢により体の自由が利かず運動困難な場合に、運動に代わって海馬に有効な影響を及ぼす刺激として、入浴やサウナ浴の可能性を検討するための立脚点となりうる。また、古典的な物理療法であるにも関わらず、脳機能に関する効果については必ずしも科学的根拠が明確ではなかった温熱療法に生理的基盤を提供することができる点においても社会への波及効果が高いと考えている。
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