研究課題/領域番号 |
20K11580
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鶴田 剛司 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (90728411)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | インスリン抵抗性 / 免疫グロブリンA / 腸内細菌 / 食物繊維 / 油脂 / 分泌型免疫グロブリンA / インスリン感受性 |
研究開始時の研究の概要 |
2型糖尿病はインスリンの分泌やインスリン感受性が低下することにより、血糖調節に異常をきたす疾患である。本研究では、腸内細菌に対する腸管IgAの反応性の低下がインスリン感受性の低下に関係していることに着目し、腸管IgAの反応性の低下を抑制する食品素材がインスリン感受性の低下予防に有効であるかを検証する。本研究を実施することにより、インスリン感受性の低下を予防する食品素材を新たな観点から探索することが可能となり、2型糖尿病の発症予防の新たな戦略を提示できる。
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研究成果の概要 |
2型糖尿病の主要な発症要因であるインスリン抵抗性は腸管内の主要抗体であるIgAと腸内細菌の関係性の乱れと関係している。本研究では、この乱れを解消する食品素材を探索し、インスリン抵抗性を予防する上での有用性を検証した。その結果、動物性油脂の多量摂取がIgAと腸内細菌の関係性に乱れを引き起こす一方で、動物性油脂の脂肪酸組成を中鎖脂肪酸に置換することでこの乱れが緩和されるとともにインスリン抵抗性の症状も緩和した。また、一部の難消化性糖質を動物性油脂とともに摂取することによってIgAと腸内細菌の関係性の乱れとインスリン抵抗性が改善することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果から一部の難消化性糖質の摂取や動物性油脂の代替油脂として消化吸収性の高い油脂を摂取することにより腸内細菌に結合する腸管IgA量が増加し、特定の腸内細菌に対する腸管IgAの結合性が変化することが明らかとなった。また、これらの作用が糖代謝機能の低下抑制に関与していることが示された。本知見を応用し、腸内細菌と腸管IgAの正常な関係性を維持し、2型糖尿病予防に有用な食品素材の探索やその組み合わせを提案していくことが期待できる。
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