研究課題/領域番号 |
20K11583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 近畿大学 (2022) 長浜バイオ大学 (2021) 福島県立医科大学 (2020) |
研究代表者 |
田中 照佳 近畿大学, 農学部, 講師 (10811664)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腹部大動脈瘤 / 破骨細胞 / 卵巣摘出 / クズ / プエラリン / シリンガ酸 / バニリン酸 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
動脈瘤は、動脈の進行的な拡張を主病変とする疾患で、脆弱化した血管構造とタンパク質分解酵素の過剰発現が特徴である。申請者らは、腹部大動脈瘤病変において、破骨細胞が存在することを世界で初めて発見した。この破骨細胞が腹部大動脈瘤の発症に重要な役割を果たすと考えられるが、その詳細な解析は行われていない。そこで、破骨細胞を活性化/不活性化した時の腹部大動脈瘤病変を観察すると共に、どのようなマクロファージが破骨細胞へと分化するのかを検討する。また、食品成分を腹部大動脈瘤モデルマウスに投与し、予防効果を検証すると共に、その作用機構を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、①破骨細胞を活性化した時の腹部大動脈瘤病変を観察、②食品成分による腹部大動脈瘤予防効果の作用機構の解明、を行った。 ①では、卵巣摘出マウスと卵巣摘出擬似手術マウスにおいてCaPO4誘発性の腹部大動脈瘤モデルを作製した。その結果、卵巣摘出マウスは卵巣摘出擬似手術マウスと比較し、破骨細胞が活性化され、腹部大動脈瘤の発症を促進させた。一方、②では、既に腹部大動脈瘤の予防食品として報告した葛(クズ、Pueraria lobata)蔓抽出物が破骨細胞の分化を抑制する有効作用量やクズの主要イソフラボンであるプエラリンのマウス体内への移行形態を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腹部大動脈瘤(AAA)は、薄い石灰化病変を有し、腹部大動脈の進行的な拡張を主病変とする疾患である。AAAの発症機構は不明な点が多く、治療法として外科的治療法しかないのが現状である。申請者らのグループは、AAA病変にマクロファージから分化した破骨細胞が存在することを世界で初めて発見した。したがって、AAAの発症機構の解明や予防・治療薬の開発を目指して「破骨細胞」に着目した研究をさらに進める必要がある。本研究の結果は、破骨細胞は動脈瘤の発症に重要な役割を果たしていることを示唆しており、AAAの発症機構の解明や予防・治療薬の開発を目指すための重要な知見になると考えられる。
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