研究課題/領域番号 |
20K11584
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
原 宏和 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (30305495)
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研究分担者 |
足立 哲夫 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (40137063)
神谷 哲朗 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (60453057)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | パーキンソン病 / 銅 / 酸化ストレス / 銅トランスポーター / タンパク質分解 / ATP7A / 神経細胞 / トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD)などの神経変性疾患の発症・病態進展に、銅(Cu)などの脳内微量金属が関与するとの指摘があるが、その詳細は不明である。Cuは細胞毒性があることから、Cuの細胞内動態は厳密に制御されている。申請者は、神経毒6-ヒドロキシドパミン(6-OHDA)により、神経細胞のCu排出トランスポーター(ATP7A)の発現が低下することを見出した。細胞内Cu動態異常は神経細胞機能を低下させる可能性が考えられることから、神経細胞内のCu動態に着目し、PD病態とCuの関連性を検証する。
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研究成果の概要 |
パーキンソン病(PD)はドパミン神経細胞の脱落により生じる神経変性疾患である。PD病巣のドパミン神経細胞傷害には、酸化ストレスに加え、鉄や銅(Cu)などの微量金属の恒常性破綻が関与しているとの報告があるが、不明な点も多い。本研究では、PDモデル作製に用いられる神経毒6-ヒドロキシドパミン(6-OHDA)が、Cu排出トランスポーター(ATP7A)およびCuシャペロン(Atox1)タンパク質の分解を促進し、細胞内のCu蓄積を増大させることを見出した。また、その機序として、6-OHDAに起因する酸化ストレスがリソソームにおけるATP7AおよびAtox1タンパクの分解を促進することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PDとFeの関連性については解析が進んでいるが、PD発症にCuがどのように関与しているかは不明な点が多かった。本研究の実施により、6-OHDAにより神経細胞内のCu恒常性の破綻が生じることが初めて示された。金属イオンの細胞内外の恒常性の破綻は、アルツハイマー病などPD以外の他の神経変性疾患の発症とも密接に関連していることが報告されている。それゆえ、今回の研究で得られた6-OHDAにより誘発される酸化ストレスがCu恒常性破綻を引き起こすという結果は、PD以外の神経変性疾患の病態解明のみならず、有効な治療薬が少ない神経変性疾患の新規治療薬の開発にもつながる有益な知見となると考える。
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