研究課題/領域番号 |
20K11586
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 章 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40275540)
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研究分担者 |
梅邑 晃 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (10749675)
石田 和之 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40444004)
石垣 泰 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50375002)
岩谷 岳 岩手医科大学, 医学部, 特任教授 (70405801)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 非アルコール性脂肪性肝炎 / 代謝異常関連脂肪肝 / 肥満症 / 2型糖尿病 / 減量・代謝改善手術 / 高度肥満症 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 糖尿病 / プロテオーム / へパトカイン / プロテオミクス / メタボリックサージェリー |
研究開始時の研究の概要 |
日本人高度肥満症患者に対するLSGにおいて、減量経過とともに経時的に肝組織学的評価を行った報告や肝組織を用いた研究は極めて少ない。日本人高度肥満症患者のNASH合併率、肝線維化改善やそのメカニズムについてはこれまで明確となっていないことから、本研究での試みは非常に画期的である。研究では、NASHと診断されたLSG患者に肝生検を経時的に施行することで、脂肪化や線維化の改善が脂質代謝の改善により起こっていることを科学的に証明し、またLC-MS解析では、既知の脂質以外にも未知な脂質の構造推定や定量値算出による比較により、高度肥満症患者の減量による脂質代謝の変化を解明できる可能性がある。
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研究成果の概要 |
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(LSG)を施行した高度肥満症のNASH患者を対象として、肝線維化の改善機序を解明することを目的とした。LSG時の肝生検において、肝脂肪化5%未満で、肝細胞の炎症、風船様変性又は線維化例はindeterminable NASHと診断した。NASH90名の改善率は、LSG後1年で80%、3年で83%であった。LSG後のリピドミクス解析では、5種類の血清遊離脂肪酸が有意に減少、18種類が有意に増加し、体重減少や脂肪化の割合と相関していた。PC(18:1e_20:4)はNASH患者で有意に増加しており、NASHの診断及び治療効果のためのサロゲートマーカーとなる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高度肥満症患者に対するLSGにおいて肝組織を用いた研究は世界でも少なく、減量経過と共に経時的な肝線維化診断や肝組織のリピドミクス解析は、報告されていない。NASHと診断されたLSG患者に肝生検を外来で経時的に施行することで、肝脂肪化や線維化の改善が脂質代謝の改善により起こっていることを科学的に解明することができると考えた。またLC-MS解析では、サンプル中に含まれる既知の脂質以外にも未知な脂質構造が推定でき、高精度な定量値算出による比較も可能である。LSGを受けた患者群における肝組織のLC-MS解析例の報告はなく、高度肥満症患者の脂質代謝の変化を解明できる可能性がある。
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