研究課題/領域番号 |
20K11600
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北野 隆司 (大植隆司) 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (90791583)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | GPCR / 代謝性疾患 / ケトン体 / 中鎖脂肪酸 / GPCRs / エネルギー代謝 / GPR109A / 腸内環境 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満症や代謝性疾患の予防・改善効果を志向したケトン食療法が再評価されている。本研究ではケトジェニック環境下、メタボリックシグナルの根幹を担うことが示唆されるケトン体受容体の機能的意義を世界に先駆けて明らかにし、「ケトン体-GPCR axis」を基軸とした新規のエネルギー代謝制御機構を解明する。今後、食事介入や栄養管理を介した先制医療・予防医学、さらにはケトン体受容体を標的とした代謝性疾患治療薬の開発等、臨床応用へ向けた基礎的知見の獲得に資するものと考えられる。
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研究成果の概要 |
肥満症・代謝性疾患などの生活習慣病に対する治療法として食事療法は最も基本的かつ実践可能なアプローチである。近年、食事療法の多様性の一環として、ケトン食(低炭水化物高脂肪食)や中鎖脂肪酸食などが再評価されている。本研究では、ケトン体及びケトン体産生への関与が示唆される中鎖脂肪酸に着目し、それらの生体内受容体(GPCR)を介した栄養シグナルに基づくエネルギー代謝制御の新規分子作用機序を検証した。その結果、中鎖脂肪酸は中鎖脂肪酸受容体を介して、糖・エネルギー代謝調節作用や肝臓の栄養免疫学的な機能制御に寄与する可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、ケトン体や中鎖脂肪酸によるエネルギー代謝恒常性維持に関して、その詳細な分子作用機序の全容解明には至っていなかった。特に、中鎖脂肪酸は、血中濃度が極めて低値であることから、生体内における生理的意義は不明であった。本研究により、中鎖脂肪酸は、中鎖脂肪酸受容体を介した糖・エネルギー代謝調節への寄与に加えて、代謝性疾患における肝臓での免疫代謝制御とその病態生理学的意義が明らかになった。今後、中鎖脂肪酸受容体を標的とした新規治療薬創出だけでなく、中鎖脂肪酸を含む機能性食品の開発を通じて、代謝性疾患の新たな予防・治療戦略の確立へと繋がることが期待される。
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