研究課題/領域番号 |
20K11602
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田中 憲子 (石黒憲子) 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (70439280)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 超音波画像 / 腹部骨格筋 / 腹腔内 / 皮下脂肪 / エコー強度 / インスリン抵抗性 / 身体組成 / 骨格筋量 / 性差 / 若齢者 / 身体機能 / 体幹部骨格筋 / メタボリックシンドローム / サルコペニア / 加齢 / 超音波画像診断装置 / 運動機能 |
研究開始時の研究の概要 |
年代を問わず,体幹部の骨格筋と内臓脂肪の分布に応じて,抱えている健康リスクが異なるのではないか?という仮説を検証することが,本研究の目的である.研究対象者は,運動実施に制限のない20~60歳代の男女合計150名とする.パノラマ超音波画像法を利用して,体幹部の骨格筋の横断面積とエコー強度(筋内への非収縮要素蓄積度の指標)ならびに内臓脂肪厚を定量する.さらに骨格筋と内臓脂肪の分布に応じて対象者を4つのタイプに分類し,それぞれの身体機能や代謝疾患リスクを比較検討する.また,被験者のうち60名に対して1 年後にも同内容の測定を行い,本研究で提案する評価指標の有用性を,縦断的にも検討する.
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研究成果の概要 |
若年者の体幹部骨格筋における質的指標と栄養摂取状況との関連には男女差が認められた.具体的には,若年男性においてのみ,飽和脂肪酸のエネルギー比率とエコー強度との間に有意な正相関が認められた.男性における長座体前屈の値,ならびに女性における動脈硬化度の指標も,体幹部骨格筋における質的指標との間に有意な相関を示した. 一方,横断的および縦断的検討により,若年男性におけるインスリン抵抗性の指標は,内臓脂肪蓄積度の指標(腹腔厚)のではなく,体幹部の皮下脂肪厚と有意な正相関を示すことが明らかとなった.女性においては,腹斜筋群の筋厚と腹腔厚との比が,インスリン抵抗性の指標と有意な正相関を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般に,メタボリックシンドロームなどの代謝疾患は,中年齢期以降における内臓脂肪の蓄積に伴い発症するものと認識されている.しかしながら,本研究で対象とした若年女性のうち20%において,インスリン抵抗性の指標が基準値を超えていた.また,若齢男性においては,内臓脂肪蓄積度の指標ではなく,皮下脂肪の量が,インスリン抵抗性と有意に関連していた.本研究の成果により,若年期から代謝疾患リスク低減にむけた取り組みを始めることの重要性が示唆された.また,超音波画像から評価した体幹部の骨格筋,皮下脂肪,腹腔内組織などの分布状況によりインスリン抵抗性の指標を評価可能となる可能性も示唆された.
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