研究課題/領域番号 |
20K11604
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
鷹股 亮 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (00264755)
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研究分担者 |
森本 恵子 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (30220081)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | エストロゲン / エネルギー摂取調節 / 嗜好性 / 快楽性調節 / 恒常性調節 / 報酬系 / レプチン / スクロース摂取 / エネルギー摂取 / スクロース嗜好性 / オレキシン / 恒常性摂食調節 / 快楽性摂食調節 / 甘味嗜好性 / 血漿グルコース濃度 / 糖利用 / 快楽性摂取行動 / 恒常性摂取行動 / 視床下部 / 快楽性糖摂取 / 摂食抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
摂食行動は、エネルギーバランスを調節する恒常性調節と報酬系を基盤とする快楽性調節により調節が行われている。女性ホルモンであるエストロゲンは摂食抑制・抗肥満作用がある。一方、我々はエストロゲンがスクロース嗜好性を亢進させその摂取量を増加させることを明らかにした。 本研究では、エストロゲンによるスクロース嗜好性上昇のメカニズムを明らかにし、更にエストロゲンが摂食行動の快楽性調節と恒常性調節に及ぼす作用を明らかにすることにより、エストロゲンの摂食行動に及ぼす影響を統合的に明らかにし、これまでほとんどわかっていない摂食調節における恒常性調節と快楽性調節の相互連関のメカニズムの一端に迫ることを目指す。
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研究成果の概要 |
エストロゲンは、高嗜好性スクロース溶液の摂取亢進作用を示すが、同様に人工甘味料の摂取も亢進させたことから、この摂取亢進作用は快楽性の調節を介する可能性が示された。またこの甘味摂取亢進作用には、側坐核shellのミューオピオイド受容体が関与していることが示された。エストロゲンの甘味摂取亢進作用は血漿グルコースが高くなると抑制された。また2-deoxy-D-glucoseを用いて糖利用を低下させた際に見られるエストロゲンのエネルギー摂取抑制作用は、スクロースを摂取させることにより消失した。また、レプチンとエストロゲンは相乗的にスクロース摂取を増加させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
摂食行動の快楽性調節と恒常性調節の相互連関についてはほとんどわかっていなかった。エストロゲンにはエネルギー摂取抑制作用があるが、本研究においてエストロゲンが快楽性スクロース摂取を亢進させ、恒常性エネルギー摂取抑制作用が小さくなることが明らかになった。また、そのメカニズムの一つとして側坐核shellのミューオピオイド受容体が関与していることを明らかにした。これらの結果は閉経前後での女性の食行動の変化とそのメカニズムを明らかにし、女性の健康的な食習慣のあり方を考える上で重要なデータであると考えられる。更に、これまで不明であった摂食行動の快楽性調節と恒常性調節の関連の解明につながる可能性がある。
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