研究課題/領域番号 |
20K11610
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 鎌倉女子大学 (2022-2023) 桐生大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
影山 晴秋 鎌倉女子大学, 家政学部, 教授 (00433839)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 摂食調節ペプチド / 胸腺 / 摂食ペプチド / 神経ペプチド / 免疫染色 / 免疫機構 |
研究開始時の研究の概要 |
ガラニン様ペプチド(GALP)は視床下部弓状核で産生され、摂食抑制やエネルギー消費に深くかかわっている神経ペプチドである。これまでにGALP mRNAが胸腺で発現していることを見いだし、GALPの免疫機構への関与を示唆する成果を得られた。「食行動と免疫力」は密接に関わっていると言われているが、摂食調節ペプチドと免疫機構の連関については、不明である。当該研究ではGALPの免疫機構に及ぼす効果を解明することを目的とする。脳の摂食調節機構と免疫機構の相互作用に関する新しい概念を確立し、GALPの新規機能の発見につながる研究となる。食行動を通じて国民の感染予防の対策に新しい展開が期待できる。
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研究実績の概要 |
ガラニン様ペプチド(GALP)は、摂食調節に関わる神経ペプチドである。ラットにおいてGALPは、視床下部弓状核に限局していることが明らかとなっている。また、GALPは血液中にも存在していることから、中枢神経のみならず末梢器官でもGALPを産生している可能性がある。当該研究では、リアルタイム PCR法を用いて、網羅的に末梢器官での発現を調べた。視床下部、下垂体に続いて胸腺でGALP mRNAの発現量が多かった。そこで、食と免疫機構との相互作用を調べる目的で、GALPがTリンパ球の成熟の場である胸腺に注目した。胸腺のガラニン様ペプチド(GALP)陽性細胞を同定するために、免疫二重染色をおこなった。用いた抗体は抗GALP抗体と通常型樹状細胞のマーカーであるCD205、胸腺髄質上皮細胞のマーカーであるAIRE-1、ハッサル小体のマーカーであるケラチンの4種類である。抗GALP抗体以外は抗原賦活化を行う必要があるが、抗GALP抗体は、抗原賦活化を行うと、非特異的な免疫反応が現れてしまい、同定ができなかった。いろいろな方法を試行錯誤した結果、適切な条件を見つけることができた。現在は、ペルオキシダーゼによるDAB基質とアルカリフォスファターゼによるBCIP/NBT基質で発色させた。現在は、蛍光二重免疫染色を行っている。さらに樹状細胞のマーカーとなるCD11cとの二重免疫染色を行い、細胞同定を行っている。また、本年度は結果を論文化するため、二重免疫染色の一番良い条件を検討している。 胸腺まわりの脂肪細胞にあるGALP免疫陽性細胞を観察すると、脂肪が多く蓄積されていない白色脂肪細胞で、GALP免疫陽性反応が多く見られたが、脂肪を多く含んだ成熟な白色脂肪細胞では、GALP免疫陽性反応はわずかしか認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
二重免疫染色を行うために抗体のホストの問題を解決しながらマーカーとなる抗体を見つけ出し、免疫染色を行った。マーカーとなる抗体は、免疫染色する前に抗原賦活化過程が必要となる。ところが、抗原賦活化した標本で抗GALP抗体で免疫染色すると、非特異的な反応が多く観察された。この相反する反応の問題を解決するのに時間がかかってしまい、全体の計画が大幅に遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度二重免疫染色によって得られた結果より、今後はGALPの末梢器官での分布と胸腺におけるGALP免疫陽性細胞の同定までを論文化して発表する予定である。また、論文化するにあたり、視覚的に有効な写真を撮影し、論文が年度内に受理できるように準備する。
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