研究課題/領域番号 |
20K11636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
森島 真幸 近畿大学, 農学部, 准教授 (40437934)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | エイコサペンタエン酸 / 心筋電気的リモデリング / 健康増進 / L型カルシウムチャネル / 魚油 / 電気的リモデリング / 高脂肪食 / 心房細動 / EPA / 自動拍動 / イオンチャネル / miR-30d |
研究開始時の研究の概要 |
疫学研究において、魚油に含まれる多価不飽和脂肪酸(polyunsaturated fatty acid, PUFA)の摂取が心房細動の発生率を減少させることが報告されているが、その分子機序は明らかではない。本研究では、動物モデルと初代培養ラット心筋細胞を用いて、PUFAの心筋細胞に対する本質的な作用を検証することで、PUFAが心臓の電気活動を調節し心房細動の発症予防に寄与するとの仮説を検証する。特に、PUFAによる心筋イオンチャネル遺伝子の発現制御メカニズムに焦点を置き、PUFAの未だ解明されていない心臓への生理作用を生理学的、分子生物学的手法で明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
魚油に含まれるオメガ3系多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)は、血管機能改善作用と抗血小板作用により循環器機能を改善し、心臓細動(AF)などの不整脈予防効果を示すことが多くの研究により明らかになっているが、心筋細胞への直接作用や分子機序については不明な点が多い。本研究では、動物モデルと初代培養マウス心筋細胞を用いて、不整脈基質に対するEPAの短期、及び長期作用を検証し、EPAが心臓の電気活動を制御し心房細動や心不全の発症予防に寄与する可能性を明らかにした。本研究の成果は、科学的根拠に基づいたEPAの栄養機能性の理解とその利用の啓発につながることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、EPAが心筋細胞のL型Ca2+チャネルに作用し高脂肪負荷による心筋障害を軽減させるという新しい知見が得られたことから、EPAの心筋直接作用が明らかとなった。これまでに経験的に得られていたEPAの有効性を実験的に証明したことで、科学的根拠に基づいたEPAの栄養機能性の理解とその利用の啓発を目指したい。本研究により、生活習慣病の重症化によるAFの発症を阻止するための新しい医療用サプリメントの開発、そしてEPAの栄養機能性を活用したオーダーメイドな食事提供による健康寿命の延伸に貢献できると考えられる。
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