研究課題/領域番号 |
20K11638
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
栢野 新市 畿央大学, 健康科学部, 教授 (40412150)
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研究分担者 |
菊崎 泰枝 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (60291598)
松村 羊子 畿央大学, 健康科学部, 教授 (80412154)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 干し柿 / タンニン / 抗酸化性 / 腸内細菌 / Ⅰ型糖尿病 / 干柿 / 抗酸化 / 肝臓 / 筋肉 / HPLC / 人工消化 / ORAC / 人口消化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、干し柿のタンニンが生体に対して抗酸化性を発現するプロセスについて、腸内細菌に着目して検討を行う。具体的には、干し柿に含まれるタンニンを分解して低分子化する能力を有する腸内細菌を探索するとともに、腸内細菌が生成するタンニン分解物の化学構造の解析および抗酸化性の評価を行う。さらにタンニンの投与が腸内細菌叢を含め生体に及ぼす影響についても評価を行う。これらの検討を通じて、干し柿に含まれるタンニンが有する抗酸化性と腸内細菌との関連、および生体に及ぼす健康増進効果を明らかにする。
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研究成果の概要 |
Bacteroidetes門に属する菌株の1種が、干し柿抽出残渣中のタンニンを分解し、低分子の抗酸化性物質を生成させる可能性を見いだした。また、抽出残渣を投与したⅠ型糖尿病ラットにおいて、①肝臓ORACの有意な上昇、②肝臓の抗酸化酵素であるSODの活性、カタラーゼの活性、グルタチオンペルオキシダーゼ活性の正常化、③酸化による長指伸筋細胞の収縮に対する抑制効果が認められた。これらの結果より、抽出残渣に含まれるタンニンは腸内細菌によって低分子化するとともに、Ⅰ型糖尿病の病態を改善する機能を有することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究において、植物性食品の機能性成分は主として可溶性画分に焦点があてられてきた。本研究では干し柿の不溶性画分に含まれるタンニンに着目し、機能性の発現に腸内細菌が関与する可能性を見いだすとともに、Ⅰ型糖尿病の病態を改善する効果を示す有益なデータを得た。これまでタンニンは防水剤、防腐剤、清酒製造の清澄剤などに利用されているが、食品成分として健康増進効果を評価した研究は極めて少ない。本研究の成果より、タンニンの機能性により注目が集まり研究が広がることによって、国民の健康増進に寄与することが期待される。
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