研究課題/領域番号 |
20K11668
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
藤原 祐一郎 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (20756142)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 符号理論 / 組合せ論 / 極値集合論 / 確率論 / 自己同期符号 / 組合せ符号 / 誤り訂正符号 / 確率的組合せ論 / 誤り訂正 / 同期 / グラフ理論 / ネットワーク / グループテスティング / センサーネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
情報科学においては,様々な理論限界の解明が重要である.例えば,情報理論が学問として生まれる契機となった「シャノンの定理」はまさに,情報圧縮と誤り訂正における人類の限界を,数学的に導出している.情報科学の基盤となる数学においても限界探求は重要であり,近年,与えられた条件を極限状態で達する集合を考究する学問である極値集合論が脚光を浴びている.本研究では,この極値集合論およびそこで中心的役割を果たす確率的組合せ論を,情報科学において新しい応用方法を確立し,同期用系列や高速情報圧縮回路,量子誤り訂正といった分野において活躍させ,ひいては極値集合論と確率的組合せ論の発展にも寄与することを目的とする.
|
研究成果の概要 |
本研究の最大の目的は確率的組合せ論と極値集合論の符号理論における新たな応用を探ることで,これら3つの分野を有機的に繋げる新たな研究基盤の構築に資することである.この目的を達成するため,本研究では符号理論におけるさまざまな重要な未解決問題について,特に確率的議論や極値集合論的着想がこれまで有効でなかったものに着目し,新たな研究指針の発見を目指した.本研究における最大の成果は,最適 difference systems of sets (DSS) の漸近符号化率が Levenshtein 限界を達成するかという,50年以上未解決であった問題の肯定的解決である.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた成果はさまざまであるが,その最大のものは前項で述べた,最適 DSS の漸近符号化率が Levenshtein 限界を如何なる要求雑音耐性水準においても達成することを証明したことである.最適 DSS はデジタル通信における送信者と受信者の同期を,雑音下においても高い信頼性を保証しつつ効率的に行うための数学的構造物である.本研究では DSS の理論限界を明らかにするとともに,簡単に漸近最適である DSS を構成するアルゴリズムを提示しており,数学的にも,情報理論的にも,また電気電子工学的にも興味深い成果である.
|