研究課題/領域番号 |
20K11671
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
伊藤 大雄 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (50283487)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 定数時間アルゴリズム / 劣線形時間アルゴリズム / 検査不可能性 / タイル張り / 平坦折り問題 / 折れ線の非交差埋め込み問題 / 漸進型アルゴリズム / オンラインアルゴリズム / 競合比 / 離散アルゴリズム / グラフ / 幾何学 / ゲーム・パズル / 折り紙 / 複雑ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
劣線形時間アルゴリズムの理論基盤の確立を目的とする。劣線形の究極の形が定数であり、本研究も主に定数時間アルゴリズムに注目する。具体的研究課題として以下の問題に取り組む。1.複雑ネットワークの定数時間アルゴリズムを、主に万能定数時間アルゴリズムの観点から進める。2.定数時間アルゴリズムが存在する特徴づけ。3.様々な枠組みへの適用を多項式時間アルゴリズムの観点も含め研究する。
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研究実績の概要 |
本研究では研究代表者の提案している「劣線形時間パラダイム」を広く展開するための理論研究を行っている。2023年度の主な成果は以下の通りである。 (I) 定数・劣線形時間アルゴリズムをゲーム・パズルに拡張する研究を行っている。これまでいくつかの一般化ゲーム・パズルが定数時間検査可能であることを示してきたが、ボタン&シザーズがボタンの種類が3以上の場合は定数時間検査不可能だとの予想を立てて証明を試みている。定数時間検査不可能性が証明されている類似の問題にDyck言語の検査問題がある。これは与えられた括弧列が正しく包含関係を満たしているか否かを検査する問題であるが、カッコの種類((,)や[,]等)数が2以上の場合は定数時間検査不可能であることが既に証明されている。従ってそれからの帰着(Strong gap-preserving local reduction)によって証明する方法が思いつくが、この手法では証明不可能であることを証明した。(II)ペンシルパズルの「ましゅ」が定数時間検査可能であることを証明した。 (III)劣線形時間アルゴリズムを安定結婚問題に拡張する枠組みについて研究し、入力がランダムであるという仮定の元で妨害ペアの数をεn以下(ただしnは参加人数)にできる枠組みを与えた。(IV)平面図形のタイル張り問題の多層タイル張りについて、既存研究では実質的に平行移動についてのみの成果しか無かったが、回転と裏返しも許した多層タイルに対し、非自明な成果をいくつか与えた。本結果は論文誌Thai Journal of Mathematics (TJM)に掲載された。(V)他に平行山谷付き平坦折り問題で強NP完全である問題を見つけた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一次元ボタン&シザーズの定数時間検査に関し、3色以上の場合は定数時間検査不可能であることの証明であるが、Dyck言語からのStrong gap-preserving local reductionでは証明できないことを証明することによって少し進展した。今後はDyck言語の定数時間検査不可能性の証明と同様の手法で証明可能ではないかと考えている。ましゅの定数時間検査は、我々の考案した盤面を分割する技法が有用であることの新たな証拠にあると考えている。平行山谷付き平坦折り問題については、計算困難性の方面から進展を得た。さらに多層タイル張りの論文が掲載されたが、これはこの分野を大幅に進展させる内容と考えている。以上から、控え目に見積もっても概ね順調であると言える。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は本科研の最終年度であるので、3色ボタン&シザーズの検査不可能性の証明の完成と、劣線形時間安定結婚問題の枠組みなどについての目処を得たい。さらにましゅの定数時間検査や平行山谷付き平坦折り問題の成果など、論文化することを目指す。他に、折り紙や広義K_3辺被覆問題の拡張にも挑む予定である。
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