研究課題/領域番号 |
20K11677
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 (2022-2023) 京都大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
宮崎 修一 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 教授 (00303884)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 安定マッチング / アルゴリズム理論 / 計算複雑性 / 研修医配属問題 / 定員下限 / 地域上限 / 安定ルームメイト問題 / 多項式時間還元 / 近似アルゴリズム / 研修医配属 / 非交差安定マッチング / NP困難性 / 例題生成 / 希望リスト / 非交差マッチング / 配属システム / モデル化 |
研究開始時の研究の概要 |
参加者の選好リストに基づいてマッチングを作る際、誰も逸脱するインセンティブを持たないマッチングを「安定マッチング」という。安定マッチングは研修医の病院への配属や卒論生の研究室への配属、腎臓交換移植など、社会の様々な場面で利用されている。しかし利用例に応じた個別の付加的要件が必要となり、それにより問題の計算複雑性が左右される。 本研究は、安定マッチングを実社会の配属システムに利用することを見据え、付加的要件が問題の計算複雑性に与える影響を明らかにすることを目的としている。そのために、安定マッチング問題の拡張モデルをいくつか提案し、それらに対するアルゴリズム開発や計算困難性解析を行っていく。
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研究実績の概要 |
異なる2つのグループの各メンバーが他方のグループのメンバーに対する選好順序を持っているとき、この選好順序に基づいた「安定性」と呼ばれる性質を満たすマッチングを安定マッチングという。本研究の目的は、安定マッチングを実用に即して拡張し、それらのモデルに対する計算複雑性を明らかにすることである。本年度は以下の活動を行った。 (1) 病院の研修医配属問題で各病院が定員下限を宣言するモデルにおいて、定員充足率を最大化する問題を定式化し、アルゴリズムの設計と解析、計算複雑性の結果を査読付き国際会議STACS 2022およびSAGT 2022にて発表していた。本年度はこれらの結果をまとめ、論文誌に投稿する準備を進めた。 (2) 研修医配属問題で地域上限を設定するモデルにおいて、希望リストの長さや地域サイズなどをパラメータとして、問題がNP完全となる場合と多項式時間で解ける場合の境界を明らかにし、査読付き国際会議COCOON 2022にて発表していた。本年度は、この結果を論文にまとめ国際論文誌Theoretical Computer Scienceに掲載された。 (3) 安定ルームメイト問題の入力を安定結婚問題の入力に、安定解の1対1対応関係を満たしつつ多項式時間還元ができるかという未解決問題が知られている。本研究では、ある特別な場合にこの対応関係が成立することを示し、国際論文誌International Journal of Foundations of Computer Scienceに掲載された。 (4) 安定マッチングに関するこれまでの研究成果を産業界および一般に周知するため、ひょうご講座2023、兵庫県立大学生涯学習講座、リカレント講座、兵庫県立大学附属高校高大連携授業での講演に、安定マッチングの話題を取り入れた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の実施報告書における「今後の研究の推進方策」では、上記(1)と(2)の論文化を行うことを予定として挙げていた。(1)は投稿準備が進んでおり、(2)は年度中に論文が出版された。またこれ以外に、当初予定になかったテーマとして上記の(3)を論文誌で発表することができた。これらを受けて「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本研究課題の最終年度である。やり残した仕事である上記(1)の論文化に取り組むとともに、本研究課題の成果を後続研究に繋げるための調査等を進めていきたい。
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