研究課題/領域番号 |
20K11695
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60020:数理情報学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
永田 裕一 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (70334795)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | エッシャータイリング / ARAP変形 / タイリング / プロクラステス距離 / As-rigid-as possible 変形 |
研究開始時の研究の概要 |
動物などの意味のある図形をピースとする芸術的なタイリングはエッシャータイリングと呼ばれる.エッシャータイリングを自動生成する試みとして,入力した目標図形になるべく類似した図形をピースとするタイリングを自動生成する問題 (エッシャータイリング問題) が定式化されている.近年,申請者が開発した手法により,現状では比較的単純な目標図形に対して,1種類のピースでタイリングを行う場合は満足度の高い結果が得られる.この問題に対する次の研究ステージとして,本研究では複雑な目標図形に対するエッシャータイリングや複数種類のピースを用いたエッシャータイリングの自動生成を可能とする定式化と解法を構築する.
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研究実績の概要 |
令和5年度は2種類の目標図形に対するエッシャータイリングの生成法の開発を行った.これは,与えられた2種類の目標図形になるべく類似した2種類の図形を用いて平面のタイリングを生成する手法である.この問題に対するアルゴリズム開発は令和4年度までの研究でほぼ完了しており,満足の行く結果が得られることを確認していた.令和5年度はこの成果を論文にまとめ,コンピュータグラフィクスの分野ではトップジャーナルと言われるACM Transactions on Graphics (TOG)に投稿し,最終的に採択された. 本研究の全期間において次の2つの成果を得た. (i) 1種類の目標図形に対して1種類のタイル図形を用いてタイリングを行う場合で,複雑な目標図形に対しても満足度の高いタイリングを生成する方法を開発した.最も重要なアイデアはコンピューターグラフィクスの分野では良く知られた手法であるas-rigid-as-possible (ARAP) 変形の考え方を目標図形とタイル図形の類似度を測る指標として導入したことである.ただし,このアイデアを単純に実行するには非常に計算時間がかかるため,計算時間を削減するための工夫も考案した.この成果は最終的にTOGに掲載された. (ii) (i)で得た成果を2種類の目標図形に対するエッシャータイリングへと拡張した.しかし,単純に(i)で開発した手法を2種類の目標図形の場合に拡張すると,解くべき最適化問題が複雑になってしまう問題や,考慮しなくてはならない組合せ的な要素数が膨大になりすぎて現実的な計算時間で解法を実行することが困難であるといった問題があった.本研究ではそれらの問題を解決する方法も考案し,現実的な計算時間で満足度の高い結果が得られることを実証した.この成果は最終的にTOGに掲載された.
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