研究課題/領域番号 |
20K11699
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60020:数理情報学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
高澤 兼二郎 法政大学, 理工学部, 教授 (10583859)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アルゴリズム的ゲーム理論 / マトロイド / 純粋ナッシュ均衡 / 混雑ゲーム / 離散凸最適化 / ポピュラー有向木 / アルゴリズム / 離散凸解析 / 有向森 / 公平分割 / 社会的最適解 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,離散凸解析の立場から,劣モジュラ理論における機械学習に相当する応用分野をマトロイド理論に対して開拓し,マトロイド理論の応用研究を加速させるものである. 具体的な研究内容としては,社会システム解析理論の構築に取り組む.離散凸解析のこれまでの応用研究の中で,マトロイドやM凸関数の理論は経済やゲーム理論との親和性が高いことが知られている.本研究は,これらの既存研究の流れを継承・推進しつつ,マトロイド理論の新たな応用先を開拓するものである.
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研究実績の概要 |
本年度の研究成果のうち,本研究課題において特に重要なものは,論文「Pure Nash equilibria in weighted congestion games with complementarities and beyond」である. 混雑ゲーム(congestion game)とは,非協力ゲームの純粋ナッシュ均衡の研究における主要なモデルである.混雑ゲームを一般化するモデルの中に,重み付き混雑ゲーム(weighted congestion game),および,相補性混雑ゲーム(congestion game with complementarities)がある.これらのモデルにおいては,様々な仮定のもとで,純粋ナッシュ均衡の存在性が証明されている.仮定の中には,各プレイヤーの戦略空間がマトロイドの基族であることや,コスト関数がある種の単調性をもつことなどがある. 本論文では,重み付き混雑ゲームと相補性混雑ゲームを共通に一般化するモデルを提案した.さらに,本モデルにおいて,各プレイヤーの戦略空間がマトロイドの基族であり,コスト関数がより簡易に定義される単調性をもつという仮定のもとで,純粋ナッシュ均衡の存在性を証明した.本論文は,マルチエージェント分野の主要国際会議である The 23rd International Conference on Autonomous Agents and Multi-Agent Systems (AAMAS 2024) に採択された. その他,マトロイドに関する最大最小問題を扱った論文が査読付き国際論文誌に採録された.また,マトロイドを一般化する数理構造に注目したグラフ上の最適化を扱った論文,および,グラフ上の最適化アルゴリズムを用いたスケジューリングに関する論文を発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記のとおり,アルゴリズム的ゲーム理論およびマトロイドに関する複数の論文が,査読付き国際論文誌に採録,および,査読付き国際会議に採択された. その一方で,新たに遂行中の研究で,時間的な制約から論文の発表が遅れているものがある.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は本研究課題の最終年度であるため,新たな研究を遂行するとともに,これまでに遂行してきた研究を取りまとめ,論文として発表する予定である.
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