研究課題/領域番号 |
20K11705
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
本田 敏雄 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (30261754)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 超高次元データ / 線形分位点回帰モデル / 前進型変数選択 / Cox回帰モデル / 生存時間データ / 一般化線形モデル / セミパラメトリックモデル / 変数選択 |
研究開始時の研究の概要 |
統計学では超高次元データの解析が重要な研究テーマとなっている。この問題では変数選択が重要であるが、従来の手法では変数選択の際に選択されなかった変数に関する情報がほとんどないなどの問題がある。また変数のスクリーニング法では、遺伝子データなどの超高次元データに対しては、SISなどの一変数周辺モデルによる方法以外の手法も必要である。そこで超高次元セミパラメトリックモデルについて、Lasso推定量のバイアス修正を行うde-biased Lasso法あるいはNeyman直交性による超高次元モデルのままでの解析および前進型のスクリーニング法について、理論的および数値的な研究を行う。
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研究実績の概要 |
2022年度においては,超高次元線形分位点回帰モデルの前進型の説明変数スクリーニング法に関する研究論文が改訂後,国際誌に掲載予定となった.また日本統計学会の特集号より招待された,高次元Cox回帰モデルなどに関する解説論文も改訂後に掲載済となった.詳細は以下の通りである. 超高次元データの統計解析を行う場合,計算上の必要より,標準的な高次元データ解析手法の前に,説明変数を一定数にまで減らす,説明変数のスクリーニングが必要であり,これまで様々なスクリーニング法が提案,研究されてきた.また段階的にスクリーニングを行うことの必要性も研究者間の共通認識となっており,なかでもモデルを利用する前進型の説明変数スクリーニング法は,モデルの情報を活用しかつスクリーニング一致性を持ち,さらにこれまでの研究のシミュレーション結果などにより,誤選択率も低いことが知られている.線形分位点回帰は標準的な手法にも拘わらず,前進型の説明変数スクリーニング法に関する研究がほとんどなく,今回国際共同研究により,超高次元線形分位点回帰モデルの前進型スクリーニング法に関して,理論面,数値面で研究を進めて得られた研究成果“Forward variable selection for ultra-high dimensional quantile regression models” は改訂後,査読付き国際学術誌Annals of the Institute of Statistical Mathematicsに掲載予定となった. 日本統計学会和文誌特集号より招待された,Cox回帰モデルを含めた高次元生存時間データに関する統計解析についての主要な研究結果の解説論文“高次元Cox回帰モデルの統計的推測について”も,改訂後に掲載済となった.この論文は,大変重要な研究テーマに関する日本語による唯一の解説論文である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度までで,超高次元データに対する前進型の変数のスクリーニング法に関して大きな研究成果をあげることができた.さらに2022年度においては,高次元生存時間データの統計解析に関する解説論文を作成した.この解説論文の執筆などにより,コロナ禍の影響などで研究期間を延長した2023年度中に,本課題の研究テーマである超高次元下での統計的推測に関する研究を継続するための準備を進めることもできた.
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の影響と家庭の事情により,2022年度までは海外との研究交流が制限されていたため,研究期間の1年延長を行った結果,本課題の研究期間は2023年度までとなった.そのような状況下においても,2022年度までに,超高次元データに対する前進型の説明変数スクリーニング法に関する大きな研究成果を上げることができた.さらに高次元生存時間データ解析に関する解説論文の執筆を契機に,高次元生存時間データ解析に関する最新の研究動向を十分に把握することができたため,2023年度においては,これまでの筆者の研究成果も踏まえながら,超高次元下での生存時間データの統計的推測に関する研究を進める予定である.
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