研究課題/領域番号 |
20K11713
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松浦 峻 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (70583368)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 多変量重回帰モデル / 最良共変推定量 / 多変量混合分布 / 分散共分散行列 / 主成分リッジ回帰 / 一般化最小2乗推定量 |
研究開始時の研究の概要 |
ある変数(目的変数)のデータの挙動を,別の変数(説明変数)のデータを用いた近似式でモデル化する統計学的手法として回帰分析が知られている.説明変数が複数になると重回帰分析と呼ばれ,目的変数も複数になった場合は多変量重回帰分析と呼ばれる.本研究では,多変量重回帰分析について,様々な多次元確率分布,分散共分散構造,および損失関数の仮定の下,従来より高精度な統計的推定法を導くことに取り組む.
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研究実績の概要 |
本年度は,Seemingly Unrelated Regressionモデルにおける一般2次損失関数の下での偏回帰係数ベクトルの推定問題,およびAllometric Extensionモデルにおける高次元の設定の下での仮説検定問題に取り組み,以下の成果を得た. 誤差相関を伴う多変量重回帰モデルの一つであるSeemingly Unrelated Regressionモデルにおいて,一般2次損失関数の下での偏回帰係数ベクトルの最良共変推定量を導出した.これは,過去に得られていた特定の2次損失関数の下での最良共変推定量や,各回帰モデルごとのリスク行列に基づく最良共変推定量の結果を含んで拡張したものとなっている.さらに,導いた最良共変推定量が,ある精度行列(分散共分散行列の逆行列)の推定量を用いた一般化最小2乗推定量の式で表現できることを示し,その性質について議論した. また,多変量混合分布の一種であるAllometric Extensionモデルは,複数の多次元確率分布において,平均ベクトル間の差ベクトルと,各分布の分散共分散行列の最大固有値に対応する固有ベクトル(第1主成分ベクトル)が全て共通の方向を持つモデルとして知られている.ここでは2つの多次元確率分布においてAllometric Extensionモデルが成り立つという帰無仮説を検定する方法として,高次元の設定の下で漸近的に標準正規分布に従う検定統計量を導出した.また,シミュレーションを通じて,提案した検定法の第1種の誤りの確率および帰無仮説が真ではないときの検出力について調べた. 以上の成果について,国内学会での発表を2回,国際会議での発表を1回行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ここまでの3年間において,交付申請書に記した5つの研究課題(課題1~課題5)のうち,Seemingly Unrelated Regressionモデルの最良共変推定量に関する3つの課題(課題1~課題3)について成果が得られており,上記以外のモデルに取り組む課題4,課題5についても一部成果が出ており,おおむね順調に進展していると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの成果を踏まえ,交付申請書に記した5つの研究課題(課題1~課題5)のうち,課題4「相関係数行列が未知の場合や共変性を必ずしも満たさない高精度な推定量の構成」および課題5「Seemingly Unrelated Regressionモデルとは異なる(あるいはより広い)多変量重回帰モデルにおける統計的推定法の提案」を発展させることに取り組む.
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