研究課題/領域番号 |
20K11802
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
佐藤 寧洋 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 准教授 (80571554)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | SDN / ネットワーク仮想化 / ネットワーク制御 / ネットワークアーキテクチャ / NFV |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では、分散型コントローラの統一的制御を実現するデータベース定義型 SDN 制御機構の構築を目的とする。ネットワーク制御情報をデータベースにおいて一元管理し、ネットワーク全体に係わる制御情報の一貫性保持などをデータベースシステムが有する機能で提供することによって、分散型コントローラ機構における情報同期問題を解決することを目指す。さらに、既存のコントローラで実行している経路計算やリソース管理などの処理をコントローラから抽象化し、その抽象化した機能群を自律的に動作可能な機能コンポーネントとして設計・実装する。また、実機による動作検証も行い、実現可能性を示す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、分散型コントローラの統一的制御を実現するデータベース定義型 SDN 制御機構の構築を目的としている。すべてのネットワーク制御情報をデータベースシステム上で統一的に管理・定義することで、分散コントローラ間の情報同期問題を解決することを目指している。さらに、設定方法の異なるコントローラに適した設定情報を生成する機能コンポーネントと変換ドライバによって、異種コントローラが混在する環境下においても統一的なネットワーク制御ができる SDN 制御機構の実現を目指している。
2022年度は、21年度までに主たる SDN コントローラとして使用していた OpenDaylight に加えて、Ryu や Trema を導入し、それらを使用した制御が行えるように、各コントローラの設定方法などに基づいて新たなエンジンを実装した。Ryu コントローラにおける REST API の構築方法を検討し、OpenDaylight におけるこれまでの制御と同様に、クライアントサーバ間の HTTP フローの制御を実験環境において実現した。また、Trema コントローラでは、新たにネットワークに接続された状況を想定し、DHCPを利用したIPアドレスの取得、クライアントの MAC アドレスに応じたDHCPサーバへのリレー機能、割り当てられたIPアドレスを使用した Web サーバへのアクセス制御の実装を実現した。
イーサネットフレームにおけるブロードキャストや VLAN を使用した制御について新しくエンジンとして実装することで、より幅広い制御を実現するとともに、複数のコントローラに対応した制御機構の一部が実現できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の対応により、対面での作業や打ち合わせなどが当初の予定通りできなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
本来であれば2022年度までの研究課題であったが、新型コロナウイルス感染症の影響のため、期間を延長し、2023年度は以下の内容について、遅れている部分を取り戻す予定である。 課題(2)「自律的に動作する機能コンポーネントおよび変換ドライバの開発」における、複数の異種コントローラに対する設定ファイルのテンプレート作成ついては未実装であるため、その部分を最優先に進めていく。OpenDaylight に加えて、Trema や Ryu といった異なるコントローラでの基本的な制御は可能となったことから、他のコントローラの設定項目や書式などにしたがってテンプレート化を進めていきたい。また、現状ではホスト(IPアドレス)単位での通信制御を実現しているのみであることから、アプリケーション単位といったより粒度の細かい制御を実現するべく、SDN コントローラ、スイッチにおけるフロー通信の識別法や抽象化された機能の実装を進めたい。 加えて、課題(3)「実環境における動作検証と性能測定」として、クライアント端末や OpenFlow スイッチを増やすことでより実践的な環境については構築できているため、本提案手法の性能測定を実施し、実用性について調査・分析を進める予定である。 研究成果についても、十分な対外的な発表ができていないことから、これまでの実装結果や研究内容について、今年度は特に国際会議予稿集や論文誌に投稿していく予定である。
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