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QRコードの特性とその脆弱性、および安全性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K11810
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分60070:情報セキュリティ関連
研究機関神戸大学

研究代表者

森井 昌克  神戸大学, 工学研究科, 特命教授 (00220038)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードQRコード / 二次元コード / 自動認識 / 符号理論 / 誤り訂正符号 / リードソロモン符号 / ホログラム / 脆弱性
研究開始時の研究の概要

QRコードの性能、特性を明らかにし、その潜在的な能力や拡張方法、さらに利用方法によっては脆弱性となる機能を導くこと、そしてその安全な利用に向けての指針を与えることを目的とする。ホログラムQRコードと称する、汎用のQRコードリーダーが撮像する角度の変化によって抽出できる情報を選択できるQRコードを開発する。このホログラムQRコードは一般のホログラムと同様、 印刷物の安全性を担保する。また符号理論における符号化変調方式を拡張し、パターン認識 での信頼度情報として認識精度を格段に向上させる大容量二次元コードを開発する。

研究実績の概要

2020年度ではホログラムQRコードが実際に構築可能であることを実証し、2021年度ではこのホログラムQRコードを実装する際に、より読み取り精度(認識率)を向上させる手法について考察を行った。具体的にはモジュール(セル)への雑音(歪み)付加方法を検討し、その具体的方法を与えた。また画像と一体化したQRコードの作成問題において、従来からのAesthetic QRコードに比較して、格段に一体度を増した、すなわちQRコードのモジュール(セル)が目立たない新たなPost Aesthetic QRコードを提案し、評価を行った。またPost Aesthetic QRコードの概念を利用して、QRコードを利用した新たな個人認証システムを開発した。2022年度では提案したホログラムQRコードの特性解明とさらにはその応用を目指した実装と合わせて、それらの知見を基にした新たな応用を実現した。その一つは災害時でのQRコードの利用として、緊急避難先の地図を格納する方法を提案し、十分視認に耐えうる地図の表示と説明を与えることが実現した。またフォントQRコードと題して、QRコードのモジュール(セル)を原稿用紙のマス目に見立て、漢字およびアルファベットのフォントを記入し(印刷あるいは表示し)、かつQRコードとして情報を格納、読み取りできる方法を提案した。2023年度ではこのフォントQRコードの実装において改良を来ない、フォントをほとんど傷つける、つまり十分読み取り可能であり雑音としてはほとんど目立たないように実現できることを示し評価した。本方法ではフォントを画像として、QRコードの一部に表示するのではなく、すべてのモジュールにフォントを記入することが出来、たとえば論文の題目と概要をQRコード自体に表示し、その論文が記載されているURLをQRコードの情報として格納することが可能となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度までに、ホログラムQRコードの提案と実装、並びにより読み取り精度(認識率)を向上させる手法を与え、評価した。さらには従来からのAesthetic QRコードに比較して、格段に一体度を増した、Post Aesthetic QRコードを提案し、評価を行った。その応用として新たな認証システムの提案も行った。さらには災害時でのQRコードの利用として、緊急避難先の地図を格納する方法を提案し、十分視認に耐えうる地図の表示と説明を与えることが実現した。災害時には通信環境を保つことが困難であり、QRコード自体に避難先情報を格納できる得ることの意義は大きい。またフォントQRコードと題して、QRコードのモジュール(セル)を原稿用紙のマス目に見立て、漢字およびアルファベットのフォントを記入し(印刷あるいは表示し)、かつQRコードとして情報を格納、読み取りできる方法を提案、実装した。特に2023年度はフォントQRコードの改良し、フォントをほとんど傷つける、つまり十分読み取り可能であり雑音としてはほとんど目立たないように実現可能とした。これらの成果は当初の計画である、ホログラムQRコードの実装、改良、そしてQRコードの安全性を中心に構造解明を行う以上の成果を生んでいる。

今後の研究の推進方策

QRコードの潜在的能力の解明においてはQRコードの様々な状態、あるいはQRコードを認識する様々な環境において、有効に作用する高精度復号法(認識方法)の提案を行い、その実装評価を進める。またホログラムQRコードの認識率向上のみならず、その実用化について研究を重ねる。さらにホログラムQRコードから、現在、社会的な問題となっているフィッシング詐欺の新たな手法の問題点を提案し、その対策について考察する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2023 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 2次元コードが経済の動きを加速させる:2.2次元コード決済とその安全性 -2次元コードの潜在的脆弱性-2022

    • 著者名/発表者名
      森井 昌克
    • 雑誌名

      情報処理

      巻: 63 号: 6 ページ: e8-e13

    • DOI

      10.20729/00217805

    • 年月日
      2022-05-15
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 漢字フォントを重畳したQRコードの開発2022

    • 著者名/発表者名
      田原直哉,甲斐博,森井昌克
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: LOIS2022-22 ページ: 47-52

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 二次元コードを利用した災害時地図表示システムとその実装2022

    • 著者名/発表者名
      三井陸豊,村井祐斗,中嶋祥吾,白石善明,森井昌克
    • 雑誌名

      電子情報通信学会技術研究報告

      巻: LOIS2022-42 ページ: 65-70

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 二つの情報を出力するQRコードの構成―悪性サイトに誘導するQRコードの存在とその脅威―2020

    • 著者名/発表者名
      瀧田 愼、大熊 浩也、森井 昌克
    • 雑誌名

      電子情報通信学会論文誌D 情報・システム

      巻: J103-D 号: 4 ページ: 291-300

    • DOI

      10.14923/transinfj.2019JDT0003

    • ISSN
      1880-4535, 1881-0225
    • 年月日
      2020-04-01
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] QR-Code with Superimposed Text2023

    • 著者名/発表者名
      Naoya Tahara,Senling Wang,Hiroshi Kai,Hiroshi Takahashi,Masakatu Morii
    • 学会等名
      2023 24st Asia-Pacific Network Operations and Management Symposium (APNOMS)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 2層化されたQRコードとその原理 ~ ホログラムQRコードの開発 ~2022

    • 著者名/発表者名
      森井 昌克
    • 学会等名
      電子情報通信学会 ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] QR コードの認識特性とその脆弱性について2021

    • 著者名/発表者名
      橋本樹,村井祐斗,西井大智,中嶋祥吾,白石善明,森井昌克
    • 学会等名
      情報処理学会主催 コンピュータセキュリティシンポジウム2021
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] QRコード化した身分証明書顔写真による本人認証システム の開発2021

    • 著者名/発表者名
      中嶋祥吾,瀧田愼,白石善明,森井昌克
    • 学会等名
      情報処理学会主催 コンピュータセキュリティシンポジウム2021
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] GMD復号法を利用した難読QRコード の認識精度改善2021

    • 著者名/発表者名
      橋本樹,白石善明,森井昌克
    • 学会等名
      電子情報通信学会主催 情報理論とその応用シンポジウム2021
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Post Aesthetic QR(PAQR)コードの提案2021

    • 著者名/発表者名
      西井大智,中嶋祥吾,白石善明,森井昌克
    • 学会等名
      2021年度電気関係学会関西支部講演会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 2層化されたQRコードとその原理 ~ ホログラムQRコードの開発 ~2021

    • 著者名/発表者名
      川原大弥,山崎康平,瀧田愼、白石善明,森井昌克
    • 学会等名
      電子情報通信学会ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] ホログラムQRコードの開発 ~ 2層化されたQRコードとその原理 ~2021

    • 著者名/発表者名
      川原大弥,山崎康平,瀧田愼、白石善明,森井昌克
    • 学会等名
      2021年暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS2021)
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [備考] 森井教授の サイバーフィジカルセキュリティ講座

    • URL

      https://www.jdsf.gr.jp/morii-column

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] YAHOO!JAPANニュース オーサー 森井昌克 「怪奇骨董技術箱」

    • URL

      https://news.yahoo.co.jp/expert/authors/moriimasakatsu

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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