研究課題/領域番号 |
20K11814
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60070:情報セキュリティ関連
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
山崎 恭 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (10318785)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 生体認証 / 携帯端末 / 暗号・認証等 / 画像、文章、音声等認識 / 継続認証 / コンテキストアウェアネス / マルチファクタ認証 / テンプレート保護 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,スマートフォンやタブレットPCなどの携帯端末において,従来と比較してより安全性と利便性を向上させた新たな生体認証システムを開発することを目的とする.当該システムは,認証を目的としないユーザの日常的な動作から抽出した生体情報を利用し,ユーザに負担を与えることなく継続的な認証を行うことが可能であり,また,利用環境の変化に対する高い頑健性と生体情報の適切な保護機能を具備する点に特色がある.
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研究実績の概要 |
本研究は,スマートフォンやタブレットPCなどの携帯端末において,従来と比較してより安全性と利便性を向上させた新たな生体認証システム(高度生体認証システム)を開発することを目的とする.本研究では,認証を目的としないユーザの日常的な動作から抽出した生体情報を利用してユーザに負担を与えることなく継続的な認証を行うことが可能であり,また,利用環境の変化に対する高い頑健性と生体情報の適切な保護機能を具備する生体認証システムの実現を目指している.
令和5年度の主要な研究実績は,1.携帯端末に適した新たな生体認証アルゴリズムの開発と評価,2.実際の利用環境を想定した携帯端末上での生体認証システムの開発と評価の二点である.1.については,前年度の成果を踏まえ,A)継続認証,B)フリック操作,C)非定型テキストの使用を特徴とする生体認証アルゴリズムの開発と評価を行った.具体的には,スマートフォンから取得可能な生体情報としてフリック操作に着目し,ユーザが普段スマートフォンを使用するときのフリック操作により入力した任意の日本語テキストからユーザ固有の特徴を抽出し,抽出した特徴に基づき継続的に本人確認を行う継続認証アルゴリズムを開発するとともに,シミュレーション実験によりその有効性を明らかにした.また,2.については,1.で開発した継続認証アルゴリズムを携帯端末に実装する際の課題を抽出するとともに,部分的に実機を使用し,実際の利用環境に近い状況下でシミュレーション実験を行い,提案する生体認証システムの有効性を明らかにした.これらの研究成果は,いずれも本研究が目指す高度生体認証システムの実現に資する成果と位置付けられる.
なお,当該年度は,国際会議での講演,および国内の主要な研究会やシンポジウムでの講演により研究成果を発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初,研究期間の最終年度となる令和5年度は,これまでに開発した高度生体認証システムを携帯端末に実装し,実際の利用環境に近い状況下でその性能を評価することを主要な検討項目に設定した.しかしながら,研究開始から2年間にわたり実施する計画であった生体情報データベースの整備・拡充が新型コロナウイルス感染症の影響により遅れたことや,研究開発過程での研究計画の一部変更,研究代表者のその他の業務の多忙等により,当初設定した検討項目の実施には至らなかった.一方,令和5年度は,新たな生体認証アルゴリズムの開発等で一定の研究実績を挙げることができたことから,研究全体の進捗状況としては,やや遅れている状況にあると考えられる.
なお,当初の計画を達成するため,研究期間を1年延長すべく令和5年度末に科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間延長承認申請を行い承認を受けた.そこで,新たに最終年度となる令和6年度に,当初計画した令和5年度の検討項目を実施する計画である.
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の1年延長に伴い新たに最終年度となる令和6年度は,これまでに開発した携帯端末に適した生体認証アルゴリズムやテンプレート保護技術を統合した新たな高度生体認証システムを構築し,当該システムを携帯端末に実装して実際の利用環境に近い状況下でその性能を評価することを主要な検討項目に設定する.具体的には,脅威の存在を想定した提案システムの安全性を定量的な指標に基づき評価するとともに,認証アプリケーションとしての使い易さをはじめとした提案手法の利便性を主観的な指標に基づき評価する.
なお,課題として残されている生体情報データベースの整備・拡充については,今後も継続的に取り組むとともに,既存の生体情報の効果的な利用方法についても検討を継続する.
また,最終年度であることを踏まえ,研究実施期間内に得られた全ての研究成果をとりまとめ,内外で開催される研究会およびシンポジウムにて発表するとともに,関連分野の学術雑誌に論文として投稿する計画である.
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