研究課題/領域番号 |
20K11843
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60090:高性能計算関連
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
幸谷 智紀 静岡理工科大学, 情報学部, 教授 (80319152)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 多倍長精度浮動小数点演算 / 基本線形計算 / 最適化 / SIMD / OpenMP / 行列乗算 / 尾崎スキーム / 分割統治法 / 多倍長精度演算 / BLAS / AVX2 / 多倍長浮動小数点演算 / 基本線型計算 / 並列化 / マルチコアCPU / 多倍長精度数値計算 / 線型計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,倍精度浮動小数点数(binary64)を越える多倍長精度をサポートする高精度線形計算ライブラリを,マルチコアCPU向けに最適化して高性能化することを目的とする。特に最適化効果の高い密行列乗算に対し,計算精度に応じた多倍長精度演算を使い分け,無誤差変換技法,並列化技法,分割統治法による演算回数の低減技法を組み合わせ,最大の性能向上を引き出せるソフトウェアライブラリを構築し,既存のライブラリとの性能比較を行って有用性を示す。
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研究成果の概要 |
多倍長精度浮動小数点演算をサポートした高速な基本線形計算ライブラリを開発し,オープンソースとして公開した。独自のマルチコンポーネント方式の固定精度演算を含み,AVX2を用いた最適化も行って高速化している。多数桁方式の任意精度演算についてもCネイティブの関数呼び出しを行っており,C++実装より良いパフォーマンスを発揮している。行列乗算については尾崎スキームとStrassenアルゴリズムを実装しており,中間的な行列サイズと計算精度においては前者が後者より高速になることも確認し,論文としてまとめてある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の開発した多倍長精度最適化基本線形計算ライブラリは,標準的な多倍長精度線形計算ライブラリよりも高速であり,OpenMP, AVX2, 尾崎スキーム,Strassenアルゴリズムといった,あらゆる最適化手法を取り入れている。よって,大規模な悪条件問題をより高速に解くことができ,スーパーコンピュータからコンシューマ向けのノートパソコンまで利用することができるものである。Pythonモジュールとしても実験的に実装しており,深層学習結果の検証や,可視化ツールとの連携も可能であり,敷居の高い多倍長精度計算環境をカジュアルに,高価な商用ソフトウェアを介することなく利用できる。
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