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ヒアラブルデバイスのためのリアルタイム目的音源抽出

研究課題

研究課題/領域番号 20K11874
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分61010:知覚情報処理関連
研究機関京都産業大学

研究代表者

川村 新  京都産業大学, 情報理工学部, 教授 (60362646)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード音源分離 / リアルタイム / ヒアラブル
研究開始時の研究の概要

本応募課題における研究は,両耳に装着した2つのマイクロホンで,目的音源を識別し,それを抽出する,まさに聴覚の働きをリアルタイムに再現することである.提案法では音源分離を行い,各音源が目的音源か否かを判定する.この判定には,位相差スペクトルの分散を用いる.また,FPGAで試作機を製作し,提案法の実用化への見通しについても検証を行う.

研究実績の概要

本研究では,人間の両耳にマイクロホンを装着し,リアルタイムで音源分離を実行するシステムの開発を目指している.昨年度までに,実験環境の構築,アルゴリズムの簡略化,従来法との性能比較を実施し,さらに,提案法をMatlab上に実装し,オンライン動作することを確認した.オンライン動作確認では,目標とするヒアラブルデバイスに近い使用形態となるように,バイノーラルマイク(外側にマイク,内側にイヤホンが搭載された両耳デバイス)をユーザの耳に装着し,有線接続されたノートPCで音源分離を実行した.ユーザは,オンラインで分離音声を聞くことができる.今年度は,これまでの研究成果をまとめて,学術論文として発表した.また,被験者実験のアンケート結果を参考に,ユーザインターフェースのさらなる改良に着手した.ユーザインターフェースの改良では,中央最下部(原点)をユーザ位置に設定し,そこから音源方向(偏角)および音源距離(振幅)に音源クラスタを表示する,いわゆる極座標表示として設計した.これにより,ユーザと音源の位置関係が理解しやすくなった.さらに,音源クラスタの更新方法についても改善を行った.従来の音源分離法では,推定した音源クラスタが消失しない仕様となっていたため,音源の移動に対応できなかった.これを改善するため,一定時間アクティブにならない音源クラスタを消失させるように改善した.これにより,音源が移動した際に,それに追従して音源クラスタが更新されるようになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに開発した提案法をノートPC上のMatlabに実装し,ヒアラブルデバイスを想定したオンライン音源分離実験の実施,および音源分離効果の確認を行った.結果から,音源の到来方向の推定精度を昨年度よりも高めることに成功した.これらの研究成果を学術論文として発表した.さらに,ユーザインターフェースの改良と,一定時間アクティブにならない音源クラスタを消失させるようにシステムを改善した.この結果から,移動する音源に対しても提案法が有効に動作できるようになった.

今後の研究の推進方策

開発した音源分離システムのユーザインターフェースに対して被験者実験を行い,より満足度の高いシステムに発展させることを目標とする.また,クラスタリングの精度改善,分離音声の音質改善についても取り組む.さらに,提案法の実機への実装可能性についても検討するとともに,研究成果の発表も精力的に行っていく.

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 両耳マイクロホンを用いた指定領域内音源の抽出2024

    • 著者名/発表者名
      川村 新, 内田 絢音
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌)

      巻: 144 号: 3 ページ: 267-275

    • DOI

      10.1541/ieejeiss.144.267

    • ISSN
      0385-4221, 1348-8155
    • 年月日
      2024-03-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 位相アンラッピングを用いた両耳マイクロホンによるリアルタイム目的音源抽出2021

    • 著者名/発表者名
      Saito Eiji、Kawamura Arata
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌)

      巻: 141 号: 10 ページ: 1077-1086

    • DOI

      10.1541/ieejeiss.141.1077

    • NAID

      130008095826

    • ISSN
      0385-4221, 1348-8155
    • 年月日
      2021-10-01
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Real-Time Distant Sound Source Suppression Using Spectral Phase Difference2021

    • 著者名/発表者名
      MURAKAMI Kazuhiro、KAWAMURA Arata、FUJISAKA Yoh-ichi、HIRUMA Nobuhiko、IIGUNI Youji
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences

      巻: E104.A 号: 3 ページ: 604-612

    • DOI

      10.1587/transfun.2020EAP1031

    • NAID

      130007992908

    • ISSN
      0916-8508, 1745-1337
    • 年月日
      2021-03-01
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 位相差に基づくオンライン音源分離のためのユーザインタフェース2023

    • 著者名/発表者名
      今西亮太, 川村新
    • 学会等名
      第38回信号処理シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 位相差を用いた指定領域内音源のリアルタイム抽出2022

    • 著者名/発表者名
      内田絢音, 川村新
    • 学会等名
      電気学会(システム研究会 ディジタル信号処理システム一般)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 特定音源抽出のためのユーザインタフェースによる領域指定2022

    • 著者名/発表者名
      内田絢音, 川村新
    • 学会等名
      第 25 回 日本音響学会 関西支部 若手研究者交流研究発表会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Real-time target source extraction using spectral phase difference and its variance2020

    • 著者名/発表者名
      Eiji SAITO and Arata KAWAMURA
    • 学会等名
      2020 International Workshop on Smart Info-Media Systems in Asia (SISA2020)
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [図書] ディジタル信号処理におけるシステム最適化技術2021

    • 著者名/発表者名
      電気学会・ディジタル信号処理システム最適化技術調査専門委員会
    • 総ページ数
      282
    • 出版者
      オーム社
    • ISBN
      9784274227608
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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