研究課題/領域番号 |
20K11897
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 名古屋芸術大学 |
研究代表者 |
長江 和哉 名古屋芸術大学, 芸術学部, 教授 (50440665)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 録音 / 録音技術 / ピアノ / 音色 / 録音教育 / 音楽録音 / マイク配置 / 音響放射特性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ピアノの録音について、音楽的に魅力ある音色で収録することができるマイク配置を特定することを目的とする。具体的には、ピアノに対して複数のマイクを配置して演奏を収録し、インタラクティブな方法で比較試聴できる音源を制作する。その後、音楽家とリスナーの聴力の感覚を用いた主観評価実験を行い、これまでの常識を覆す新しいピアノ収録方法を提案する。さらに最終的には、人間が音という目に見えないものを聴く際に、音色や響きなどの物理的な要因がどのように嗜好に影響を与えるかを明らかにすることを目標とする。つまり、本研究の真の目標は、音楽を録音する者のみではなく、音楽家と音楽愛好家のQOLを高めることである。
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研究成果の概要 |
本研究は、「マイク配置の違いで収録される音色がどのように変化するか」を明らかにするために日独の大学で行った研究である。ピアノ録音のマイク配置を検討できるように「比較音源」を制作し、その音源を用い聴取実験を行った。比較音源は、6種類のピアノを24のマイク位置で比較できるように収録し公開した。聴取実験は、ピアノ1種 マイク位置:10 演奏曲:2 に絞り77名に対して実施した。実験結果から、演奏曲や演奏者が異なっても、マイク位置が、鍵盤側とブリッジ側、またその高さの違いで、収録される音の印象の違いを判断できることが明らかとなったが、その音色の印象を表す評価語が実験環境によって異なる傾向が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、ピアノのマイク配置の違いによって収録される音色がどのように異なるかを比較できる音源は存在してこなかったが、今回、6台のピアノ・24のマイク位置の音を比較試聴できる音源を制作しWebで公開できた。これらは目に見えない音を人間の聴力でその違いを聴き分けられる資料となったわけでその学術的意義は高いと言える。また、聴取実験からは、評価が異なったものの、マイク位置の違いで収録される音の印象の違いを人間が判断できることが科学的に解明できたわけで「マイクを用いメディアを通じて音楽を伝えること」が当たり前となった現代において、社会的に影響を与える研究となったと確信している。
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